第6話「裁判批評と表現の自由」

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
著者:板倉 雄一郎
販売元:日経BP社
(1998-11)
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 小沢一郎氏の元秘書達が有罪判決を受けた事に対して、ネット上で裁判官の批判があります。この事件について詳しくないのでよくわかりませんが、これが停止中の陪審制度で行われていたなら、少なくとも裁判官に対しての批判はなかったと思います。この事件での裁判官に対しての批判は、数多くの冤罪事件で、検察庁の圧力に負けて、無実の被告に有罪判決を下した国民の怒りがあります。

 「裁判官は日本を滅ぼす」(門田隆将著、新潮社)という本で、裁判官の非常識な面について批判をしていますし、一般人と官僚として育てられた裁判官の感覚の違いというのをどうにかしなくてはいけないと訴えています。それにしても、もう少し早く、こういった本を出版できなかったという気がします。「社長失格」(板倉雄一郎著、ビジネス社)で、著者が会社の創業に失敗して、自己破産を申請している時に、担当した裁判官から、「なぜ君は涙を流して、謝罪しないのだ!」と叱ったそうですが、あの鈴木商店の様な大企業でも倒産する様に、会社の経営は難しいという小学生でもわかりそうな事に気がつかなかった事を考えれば、早く、停止中の陪審制度を復活させるべきだという結論になるはずです。

 日本の裁判官は、法解釈なら、立派な専門家であると自信を持っていえます。だから、陪審制度の訴訟指揮などはまったく心配していませんが、事実認定について争う場合は、裁判官の信念の強さや一般的な常識をどれだけ持ちあわせているかにかかっているので、裁判の当事者でなくても、かなり心配になります。

 セブン・イレブンがフランチャイズの店に圧力をかけて、賞味期限が切れそうな商品を安売りさせないのは、違法行為だとする福岡地裁の判決がありました。この判決は立派なものですが、もしこれが大企業ではなくて、行政権力やNHKの様に特殊法人なら、こういった気骨のある判決を下せるのか心配になります。1912年の無罪率が3.8%なのに対して、今年(2011年)の無罪率が0.1%になりそうな感じなので、小沢一郎氏の元秘書達が冤罪事件に巻き込まれた可能性は否定出来ません。高裁の逆転有罪率75%なのに対して、刑罰が軽くなったり、逆転無罪が出る確率は15%くらいですが、高裁の裁判官の方は、もし検察の証明に疑問を持つようなら、無罪判決を出して欲しいです。そうでないと、裁判官の信頼はいつまでたっても取り戻せません。

第5話「裁判官の人事権の独立」(15)

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)
著者:荒木 飛呂彦
販売元:集英社
(2011-05-27)
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 地元の本屋で買った「岸辺露伴 ルーヴルに行く」(荒木飛呂彦著、集英社)をアロマオイルで焚いた部屋の中で読みました。まるでフランスに旅行に行っている様な気分になれました。それはともかく、東電OL殺人事件で、検察側は事実認定で争う姿勢を崩さないそうです。かつて、ゴビンダ氏に無期懲役を求刑した女性検察官も、今の検察官も、停止中の旧陪審制度で、男性陪審員として事実認定をすれば、証拠も証人も目撃証言もないので、無罪の評決を出すでしょうが、検察上層部の面子を守るために暴走をしているので、どんな法律違反をしても、有罪維持に全力を尽くすでしょう。

 ちょうど中国の新幹線が脱線事故を起こした時に、中国政府が新幹線に生存者がいるかも知れないのに、新幹線を埋めようとしたり、事故の犠牲者が35人と報道しましたが、尼崎市の列車脱線事故でも100人以上の方が亡くなってしまったのを考えると、あまりにもおかしい報道です。それと同じ様に、東電OL殺人事件も検察庁の大暴走で、一審で無罪判決を下した裁判官を左遷させて、裁判所の独立を侵害したりした検察ファッショの重大な問題を完全に隠そうとしています。

 検察上層部の狙いは、新証拠が発見されたので、有罪になった受刑者が冤罪であるといった事実がわかったから、再審無罪になった様に世論操作するか、また裁判所に圧力をかけて、無理のある事実認定で有罪を維持させるかのどちらかでしょう。こんな事を書くと、証拠がないのに、陰謀説はよくないと言われそうですが、かつて、法務官僚は青年法律家協会所属の裁判官に対して弾圧を加えた事がありましたし、ゴビンダ氏に無罪判決を下した裁判官を在日ネパール人やアメリカ人の人権団体の注目する中で、左遷した事実だけで十分でしょう。

 「裁判官だってしゃべりたい」(裁判官ネットワーク著、日本評論社)で、元死刑囚だった免田栄氏と裁判官の対談が掲載されていて、裁判官の方が、免田事件の死刑判決を批判するのは簡単ですが、私が事実認定をする立場なら、無罪にできるかわからないとコメントをしていました。この問題は検察官にもいえると思います。今、ゴビンダ氏が新犯人であると考えている人は誰もいないでしょうが、上層部に逆らえる人が誰もいません。だから、国家権力に納税をしている国民から事実認定者を選ぶ陪審制度を復活させなけばいけません。「陪審制度は平和と安全の試金石」という言葉を残したトーマス・ジェファーソン大統領の言葉の重みを感じます。

第5話「裁判官の人事権の独立」(14)

お笑い外務省機密情報お笑い外務省機密情報
著者:テリー伊藤
販売元:飛鳥新社
(1997-10)
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 9/9のyahoo newsで、50代の羽田空港の管制官が自分のブログにアメリカ大統領の専用機であるエアフォースワンの機密情報を漏洩していた事を報道していました。この管制官の方は自分のやっている事が、オバマ大統領を危険にさらしているという事に気がつかなかったのが残念でなりません。

 この重大な事件を見て、大東亜戦争中に日本外務省が犯した大失態を思い出しました。真珠湾攻撃の時に、山本五十六長官は開戦直前に宣戦布告をするようにと、あれだけ東郷茂徳外相に念を押したのに、アメリカの日本大使館では、転勤する寺崎英成書記官のための送別パーティーを開き、井口貞夫参事官と奥村勝蔵書記官が二日酔いで、宣戦布告が遅れたために、アメリカ人の世論が沸騰して、短期決戦で戦争を終わらせるという山本五十六長官の計算が狂ってしまった事がありました。

 これについて、「お笑い外務省の機密情報」(テリー伊藤著、飛鳥新社)では、外交官がもっとしっかりすれば、東郷茂徳外相によって、大東亜戦争の早期講和が実現して、日米両国の軍人の死者があれほど出る事も、原爆投下もなかっただろう、とコメントしています。個人的には、早期講和が実現すれば、旧陪審法が停止する事もなくなるので、免田事件の様な冤罪事件もほとんど出なくなってでしょう。

 だから、ネット言論で、この50代の管制官に対して、切腹して、社会的責任を果たすべきだと言われるのはやむを得ない所があります。ただ、この事件はきわどい所で発見されたので、井口貞夫氏や奥村勝蔵氏の様に取り返しのつかなくなる事はなかったので、そこまでの社会的責任はないと思います。個人的には、二度とこういう事がない様に、羽田空港の上層部は、情報管理の徹底化をしてもらいたいです。

 あと、この50代の管制官は、1960年代に憲法さえ守れば、日本は安全である、といった平和教育を受けている世代であり、法律家の高柳賢三氏は、1963年に「天皇・憲法第九条」という本を出版された頃なので、戦争に関する危機管理というのがおろそかになっていたのかもしれません。憲法さえ守れば、日本は安全という神話が本当なら、伊藤博文首相も日露戦争を回避出来たでしょうし、山本五十六長官も大東亜戦争を回避出来たでしょう。この事件はあまりにも重大過ぎるので、なかなか感想を書けませんでしたが、重大事件につながらなくて、ほっとしています。

第5話「裁判官の人事権の独立」(13)

咲-Saki- 6 (ヤングガンガンコミックス)咲-Saki- 6 (ヤングガンガンコミックス)
著者:小林 立
販売元:スクウェア・エニックス
(2009-07-25)
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 今日(9/18)のlivedoor newsで、三重県警が一時停止をしなかったために、交通違反をした女性を1時間近くも取り調べ、「トイレに行かせてください。」という訴えを無視したために、女性が失禁してしまった事件が起きたと報道していました。外国の警察官は、事件で忙しいから、この程度の交通違反くらいで、1時間近くも拘束するといった事はしないと思います。それだけ、日本が事件の少ない国であり、日本の警察官が暇だという事になります。ネット言論で、この女性は携帯電話で録音する様な機転があったのに、なぜ運転免許書を見せなかったのだろうか、と疑問を持っていましたが、不審尋問を警察官から受けた経験からすると、無駄でしょう。警察官が無視するに決まっています。

 そういえば、大学時代につきあっていた彼女が、一時停止の所を無意識のうちに徐行して、警察官に捕まり、1時間も取調べを受けたために、「あの取り調べのせいで、おしっこを漏らしそうになったじゃないの。」と自分に文句をいわれた事を思い出しました。あれから、15年もたつのに、警察官の意識が変っていません。失禁した女性には、民事訴訟をして、警察官に賠償金支払いと、謝罪文を広告に載せる判決を出せる様に頑張って欲しいです。そうすれば、警察官の態度も変わるかもしれません。

 心理学の実験をする時に、実験をしてもらう人が、研究者の仮説通りになるようにするという傾向がある事を「実験効果」というと心理学者の浜田寿美男氏が述べた事がありました。そして、取り調べ室の中で、捜査官は自分の意見を押しつけたつもりがなくても、無意識のうちに、取調べを受けている人に対して、自分の意見を押しつけたり、自分の意見に近くなるように、誘導をしたりする事があるので、ひょっとしたら、自分の考えが間違っているのではないかと考えながら、取調べをして欲しい、と訴えていました。

 今の不景気の影響で、公務員の人員を削減して欲しいと国民の声があるので、納税者の国民を納得させようとして、警察官が無理のある交通違反の取り締まりをしたり、捜査官がずさんな見込み捜査と無理のある自白の強要をするのでしょうが、こんな事をすると、さらに国民の不信感を増やすだけなので、悪質な交通違反の取り締まりや、確実に疑わしい人のみを特定して、裁判所に令状発行をしてもらう様にするべきです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(12)

咲 -Saki- 7 (ヤングガンガンコミックス)咲 -Saki- 7 (ヤングガンガンコミックス)
著者:小林 立
販売元:スクウェア・エニックス
(2010-04-24)
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 東京に住んでいる友人が、ネットカフェで、漫画家の頃の自分が描いた漫画を見たので、また読んでみたいというメールが来ました。それにしても自分が漫画家だったのは、10年以上の前の話で、しかも単行本化されていないので、雑誌に掲載されたものしかないのに、そんな珍しい雑誌を置いているなんて、東京のネットカフェはすごいと感心します。国会図書館に行けば、自分が漫画家時代に描いた読みきり漫画やイラストが掲載されている雑誌があると思いますが、東京のネットカフェに置いてあるとは思いませんでした。

 そういえば、知り合いの裁判官の方とドイツの法学者であるミッテルマイエルの話で盛りあがりました。法学部出身の方なら、ウォルフガンフ・ミッターマイヤーといえば、ピンとくるのではないかと思います。明治時代に行政学の本が日本でも紹介されていたのですが、日本帝国の頃はドイツの法律が日本の法体系に合っていたので、ドイツの法律書がどんどん日本に輸入されていて、日本の法律家がドイツ法を中心に研究されていました。日本の旧陪審法もドイツの旧陪審法(1924年に廃止され、参審制度となりました。)とフランスの陪審法を参考にして法整備されました。

 その後、アメリカの占領政策のために、英米法になってしまい、アメリカの法律書がドイツの法律書が日本の古本屋でもあまり見かけなくなりました。日本帝国の頃は、法律家の高柳賢三氏がアメリカ法を研究するぐらいだったのが、今の法律家の方が英米法ばかり研究されて、ドイツ法の研究がおろそかになっている様な気がします。

 ミッテルマイエルの本が読みたいと思って、博多の古本屋で探しても見つからなかったので、とりあえず、自分の携帯で、ウォルフガンフ・ミッターマイヤーと打って、google検索をすると、銀河英雄伝説という人気アニメの登場人物の名前が大量に出て来ました。それを自分の妹に電話で話すと、銀河英雄伝説の中で、人気のある登場人物で、アニメの中では、提督になったらしいです。最近の日本では、ドイツ法の研究がおろそかになっている様な気がしていますが、人気アニメの登場人物の中で使われている事がわかって、少し嬉しかったです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(11)

この国の品質この国の品質
著者:佐野眞一
販売元:ビジネス社
(2007-10-31)
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 アメリカ合衆国第3代大統領だったトーマス・ジェファーソンは、「陪審制度は平和と安全の『試金石』」という言葉を残しましたが、彼は陪審制度について、「陪審制度は、憲法の原則を政府に守らせるために、人間が考えだした唯一の有効な方法である。」と解説しました。井上薫元判事の様にエリート意識が強い人がこの言葉を聞いたなら、「法律の専門家でない一般人に何が出来るのだ。」と言われそうですが、yahoo newsやlivedoor BLOGSで、よく取り上げる様になった「東電OL殺人事件」について、考えてみれば、刑事陪審の重要性がわかると思います。

 「この国の品質」(佐野眞一著、ビジネス社)でも書かれているのですが、東電OL殺人事件で一審無罪判決を下した大渕敏和判事が左遷され、福井の裁判所で裁判官人生を終えた事について、今の司法が抱えている問題を訴えています。もし、裁判官の人事権がドイツの様に独立していれば、刑事訴訟法の規定にもとづいて、オーバーステイしていたゴビンダ氏がネパールに強制送還されたでしょう。仮にゴビンダ氏が日本人だったとしても、自白調書も目撃証言も何もないので、高裁と最高裁で、無罪が確定したと思います。

 今日は仕事が休みなので、「この国の品質」を読みかえしました。ジャーナリストの佐野眞一氏が、ゴビンダ氏の長女と次女の方が日本で会った時に、「日本は素晴らしい国なのに、どうして無実のお父さんを捕まえたのかしら。」と言われたそうです。なぜ、警察がゴビンダ氏を逮捕したのか、自分にも全くわかりません。留学していたカナダから帰国した後、大学の友人から、この事件の事と逮捕されたネパール人は無実だろうと言われました。警察はチャイニーズ・マフィアの犯罪というのをごまかすために、あのネパール人を別件逮捕したのではないか、と推理していました。

 新犯人は、完全に闇の中に隠れて、迷宮入りしました。大学時代の友人が語った様に、チャイニーズ・マフィアの犯罪なのかどうかはわかりません。はっきり言える事は、ゴビンダ氏が無実である事と陪審制度が停止しているために、日本国憲法第76条の3項「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」という裁判官の独立が完全に空文化してしまった事です。裁判員法を陪審制度にできるだけ近づけないと、ゴビンダ氏の様に冤罪で苦しむ人が減りません。

 弁護団の献身的な努力があっても、再審無罪になるまで、30年以上もかかりますが、ジャーナリストの佐野眞一氏が外国にも、この冤罪事件を訴え、比較的短い期間で再審への道が開かれました。他のジャーナリスト達は、新証拠が見つかったので、再審への道が開かれそうだと説明していますが、陪審制度が停止してしまったので、裁判所が国家権力から独立出来なくなった事を説明して欲しいです。検察官や警察官の都合の悪い事を隠そうとするジャーナリストは、ゴビンダ氏や彼の家族が、検察官や警察官の面子を守るために、どれほど迷惑しているか考えて下さい。

第5話「裁判官の人事権の独立」(10)

蟹工船 (Bunch Comics Extra)蟹工船 (Bunch Comics Extra)
著者:小林 多喜二
販売元:新潮社
(2008-11)
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 アメリカ合衆国第3代大統領だったトーマス・ジェファーソンは、「陪審制度は平和と安全の『試金石』」という言葉を残されました。日本の旧陪審法が出版法や治安維持法の対象外になっているために、昭和10年代に、警察官や検察官による言論弾圧事件が起きました。特に有名なのが、作家であり、「蟹工船」の著者として知られる小林多喜二氏が1933年に受けた言論弾圧と1942年の大東亜戦争中に起きた横浜事件という言論弾圧事件です。当時は天皇陛下のもとの裁判であり、かなり公平に行われていたのであり、今の様に刑事裁判は暗黒裁判ではないので、すさまじい拷問による自白をしなければ無罪になったでしょうが、拷問で命を落とす様な取り調べに一般人には耐えられません。

 もし、陪審法が刑罰が軽い出版法でも適用されれば、軍部批判をしていた河合栄治郎氏が逆転有罪判決を受ける事もなかったでしょうし、法務官僚の影響で治安維持法が陪審法の適用外にされなければ、小林多喜二氏や横浜事件に巻き込まれた47人の内、5人が命を落とす事はなかったでしょう。放火や殺人で起訴された陪審裁判では、拷問による自白はまったく採用されませんでしたから、さすがに警察官も検察官も拷問による自白を取ろうとは思わなかったはずです。

 治安維持法が悪法として言われていますが、旧陪審法の対象外として、拷問による自白を許してしまったのが問題であり、皇室関係者や政治家や実業家を暗殺しようとする右翼テロや社会主義者を取り締まる事は当然の事です。歴史学者のリチャード・H・ミッチェル(Richard H Mitchell)氏が、1976年に書かれた「Thought Control in Prewar Japan」という本に、治安維持法による日本の思想統制についていろいろと書かれています。

 この本では、日本の思想統制は大した事はなかったと解説しています。その証拠に、多数の逮捕者が出ましたが、死刑になったのは、ジャーナリストの尾崎秀美氏1人ではないかと解説しています。(ソビエトのスパイだったリヒアルト・ゾルゲ氏も死刑になった事を忘れていますが・・・。)転向という日本独特な方法で再犯率1%以下という事を評価して、この頃の日本の思想統制がひどかったという通説を否定しています。

 この本の序論と結論で強調している様に、ナチス・ドイツやソビエト連邦の思想弾圧と比較すると、治安維持法は、大した事はなかったですが、旧陪審法についての重要性が書かれていなかったのが残念だったです。個人的には、法務官僚が陪審法の欠陥を上手く作ってしまったために、取り調べ中の拷問と思想弾圧を許してしまった事も書いて欲しかったです。それにしても、日本の歴史学者よりも、渡部昇一氏の様な英文学者やリチャード・H・ミッチェル氏の様な外国の歴史学者の方がレベルが高いのは、なぜなのでしょうか。

第5話「裁判官の人事権の独立」(9)

自白が無実を証明する―袴田事件、その自白の心理学的供述分析 (法と心理学会叢書)自白が無実を証明する―袴田事件、その自白の心理学的供述分析 (法と心理学会叢書)
著者:浜田 寿美男
販売元:北大路書房
(2006-10)
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 1963年に、女子高校生が誘拐されて、性的暴行された上に殺害された狭山事件が起きましたが、この事件の犯人とされた石川一雄氏の有罪証拠というのは、犯人しか知りえない事を語ったとされる自白だけであり、この自白調書が信頼できるかどうか検証したいです。

 自白調書で一番気になるのは、「女子高校生のズロースという当時の下着をひざのあたりまで脱がした後、性的暴行をしながら、首を絞め殺した。」という部分がありますが、ズロースという下着は、今のパンティーと違って、ある程度伸び縮みが出来ますが、いくら女子高校生が恐怖で抵抗出来なかったとはいえ、この状態で、セックスをしようとするには、かなり難しいです。

 バックの体位なら、まあ出来ない事はないのですが、この状態で首を締めようとするのは、かなり不自然です。なぜなら、セックスをしている時は常に腰を動かないと、自分も相手も気持ち良くなれないので、興奮している犯人がわざわざ腰を動かさずに、自分の陰茎を女子高校生の膣に挿入したまま、絞め殺したという調書に疑問を持ちます。個人的な思い出としては、セックスの時は、バックにしても、正常位にしても、疲れるからといって、腰を動かさないと彼女から怒られるので、騎乗位でセックスしてくれるのが楽だと思いました。

 あと、殺害された女子高校生が処女だったら、この状態でセックスをするのが難しくなります。つきあっていた自分の彼女は、全員セックスの経験者だったので、ピンと来ませんが、「ふたりエッチ」(克 亜樹著、白泉社)によると、処女の女性の膣に陰茎を挿入するのが難しいので、前戯をして相手に痛みをできるだけ感じない様にしなければならない、と説明していましたが、首を締めるという行為に集中しながら、セックスをするというのは考えにくいです。

 だからこの自白調書はセックスの経験のない警察官が書いて、石川一雄氏に押しつけただけの作文調書としか考えるしかありません。有罪判決を下した裁判官も、この文章にはおそらく疑問を持っていたでしょうが、無罪判決を下すと、検察庁のいいなりになっている法務官僚が無罪判決を下した裁判官を左遷させられ、マスコミも検察庁の情報が欲しいために裁判官を批判するでしょう。もし、狭山事件の犯人は石川一雄氏であるのは間違いないので、再審無罪を認めないという人がいれば、「自白が無実を証明する」(浜田寿美男著、北大路書房)という本を読んで見て下さい。

第5話「裁判官の人事権の独立」(8)

共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))
販売元:講談社
(1984-02)
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 菅直人首相に代わって、野田佳彦氏が新首相に決定しました。野田佳彦氏は経済知識もあり、福田赳夫首相に近い能力を持っている政治家なので、東北地方の復興や赤字国債の異常な増加を抑えられる事を期待しています。そして、菅直人首相では出来そうになかった北朝鮮の拉致問題の解決や今の裁判員法を出来るだけ陪審法に近づけて欲しいです。

 yahooの「みんなの政治」や2ちゃんねるでも、日本の民主党の中でも優秀な人材とか、自民党の政治家に近い感覚を持っているので安心できるとか、中国政府の様な大国でも言うべき事はしっかり言うといった本物の政治家である、といった肯定評価が多かったです。まあ、菅直人首相があれだけ出来が悪くて、枝野幸男氏がカバーしていなければ、東日本大震災の被害も大きかった事を考えると、野田佳彦氏の期待も大きいのもわかります。自分もYou Tubeで野田佳彦氏の演説を見ましたが、説得力のある演説をしているのに感心しました。

 アメリカでも大企業の関係者の評価も高いのですが、「A級戦犯は犯罪者ではない。」とする歴史認識をしているのを心配しているといった声がありますが、朝鮮日報が安倍晋三首相の「戦犯を許す法律ができているので、日本の法律上、戦争犯罪者は存在しない。」という見解を報道した事を忘れています。だいだいA級戦犯というのは、「平和に対する犯罪」と事件が起こってから出来た法律を無理やり適用していた事を一部のアメリカ人は完全に忘れています。

 罪刑法定主義という「法解釈の拡大の禁止」のは刑事裁判の基本であり、東京裁判で堂々と無視された結果、法務官僚が裁判官の人事権を好き勝手に使って、冤罪事件を連発している事を忘れてはいけません。東京裁判を肯定するアメリカ人は、狭山事件の犯人にされた石川一雄氏の様に、冤罪事件に巻き込まれると、東京裁判がどれだけいい加減な裁判だったかわかると思います。

 「刑事司法を考える」(下村幸雄著、剄草書房)によると、1945年の無罪率は1%だったそうですが、東京裁判が終わった1948年以降、無罪率が1%を超えたのは、1949年の1.75%、1950年の1.7%、1951年の1.73%、1952年の1.15%、1953年の1.06%しかありません。東京裁判の悪影響が日本の刑事裁判を覆っています。東京裁判で、裁判官としてインドのパール判事が日本無罪論を主張しましたが、気になる人は「パル判決書」(東京裁判研究会編、講談社)を読んで見て下さい。最後になりましたが、野田佳彦氏が総理大臣になる事によって、日本の刑事司法がまともになる事を祈っています。

第5話「裁判官の人事権の独立」(7)

狭山事件 虚偽自白 (法と心理学会叢書)狭山事件 虚偽自白 (法と心理学会叢書)
著者:浜田 寿美男
販売元:北大路書房
(2009-08)
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 裁判官の人事権を検察上層部や裁判所上層部である法務官僚からの独立を考える上で、「狭山事件」は説明しなければならないので、解説をします。狭山事件に関しては、「狭山事件 虚偽自白」(浜田寿美男著、日本評論社)という本に、心理学者の観点から詳しく書かれていて、今は、北大路書房から改定版が出ているので、そちらの方を見られた方がいいと思います。

 この事件は1963年5月に当時女子高校生だった16歳の少女が埼玉県狭山市で、何者かによって誘拐されて、数日後に狭山市内の被差別部落に近い農道で、性的暴行を受けた後に、遺体となって発見された事件です。埼玉県警が別件逮捕で、石川一雄氏を逮捕して、取調べの時に石川一雄氏が、「容疑を認めれば、司法取引で10年で釈放させる」と刑事の約束を信じて、虚偽自白を維持して、1964年3月に浦和地裁は、石川一雄被告に死刑を言い渡しので、石川一雄氏が虚偽自白を撤回しました。そして、1974年10月の東京高裁で、青木英五郎弁護士の努力の結果、どうにか無期懲役まで量刑が下がりました。最高裁判所は上告を棄却して、無期懲役が確定しました。

 この裁判で、裁判所が検察のいいなりになっている事が明らかになり、青木英五郎弁護士は停止中の陪審法を改良復活させなければいけないと痛感したそうです。自分より上の世代の人は、陪審復活を考えるきっかけになったのは狭山事件だという人が多いです。自分の場合は、無実の証拠よりも虚偽自白を優先したロッキード裁判や免田事件再審無罪判決ですが、それに近いものがこの事件にはあります。

 狭山事件の場合、女子高校生を誘拐して、脅迫状を書いた人が犯人である、という事は小学生でもわかる事です。脅迫状と筆跡が一致しないと警察の鑑定が出た以上、石川一雄氏は無実であるといいきれます。少なくても、陪審法が停止していなければ、無罪の評決が出たでしょう。1986年8月に、青木英五郎弁護士の死後、弁護団は第二次再審請求を行いましたが、その結果がまだ出なかった1994年12月に、石川一雄氏は仮釈放となりました。

 この再審請求がどうなったかと言えば、1999年7月に高木俊夫判事によって、却下されました。この判決をネットで知って、ノストラダムスの大予言というのは、これを指しているのかとネットの掲示板に書きこみました。だいたい、再審請求というのは、新証拠によって、警察や検察の証明が完璧にならなくなったら、公判を開始しなければいけないのは当然の事です。石川一雄氏が無実というのを法務官僚はそこまでして隠したいのでしょうか、と思ってしまいました。

第5話「裁判官の人事権の独立」(6)

完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
著者:樋口 清之
販売元:祥伝社
(2000-02)
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 お笑い芸人である島田紳助氏が暴力団の関係があったとして、芸能界を引退したとネット上で話題になっていますが、昔からヤクザとテレビ局はいろいろとつきあいがあると噂になっていますので、何をいまさら問題にしているのかが、よくわかりません。あと、ヤクザの存在を批判する人が多いのですが、「梅干と日本刀」(樋口清之著、祥伝社)によると、ヤクザは、江戸時代から社会的にはみ出した人の受け入れ先になっていますし、一般人に手を出すと、社会的に制裁を受けると書かれています。あまり警察官がヤクザを排除しすぎると、今度は外国のマフィアが日本に進出してくるので、逆効果になります。自分はヤクザは必要悪だと思うので、必要以上に怖がらない事と事件に巻き込まれたら、ヤクザではなく、弁護士に相談した方がいいと思います。

 前回、足利事件について触れたので、今回はこの事件について説明したいと思います。足利事件は、1990年5月に、栃木県足利市の渡良瀬川河川敷で当時4歳だった少女が性的暴行を受けた後に殺害される事件が起きました。その1年半後に、幼稚園のマイクロバス運転手だった菅谷利和氏が殺人容疑と死体遺棄容疑で逮捕され、1993年7月に宇都宮地裁は無期懲役の判決を出しました。その後、東京高裁と最高裁が控訴を棄却して刑が確定しましたが、科学技術の発達により、DNA鑑定の結果、冤罪と判明して、再審無罪判決が出されました。

 菅谷利和氏の有罪の根拠とされたのは、不確定要素の多かったDNA鑑定と拷問による自白しかなかったので、裁判官がしっかりと審議してくれたら、無罪判決が出たでしょう。「幼稚園バス運転手は幼女を殺したか」(小林篤著、草思社)でも無罪の可能性を訴えていまししたし、「裁判官の犯罪『冤罪』」の著者である木下信夫氏は弁護士としてこの事件の冤罪を訴えていましたので、日本の陪審法が停止していなければ、無罪の評決が出た事件です。

 足利事件の一審が東電OL殺人事件の様に無罪判決が出ても、東京高裁で逆転有罪判決が出たでしょう。なぜなら、有罪にしたのが東電OL殺人事件の被告人だったゴビンダ氏に逆転有罪判決を下した高木俊夫判事だったからです。別に高木俊夫氏が裁判官として最低だと言いたいのではなくて、裁判官の人事権が法務官僚に握られているので、ゴビンダ氏や菅谷利和氏を無罪にしようとすると、自分の裁判官生命を賭けなければいけなくなるので、どうしても冷静な判断が出来なくなります。

 コビンダ氏や菅谷利和氏は、有罪判決を下した高木俊夫判事に「私はやっていません。」とはっきり言いました。警察官や検察官の言い分だけを垂れ流す新聞記事を見ていた自分でも警察官の主張には疑問が残りましたから、多分冤罪であり、日本の刑事裁判の制度疲労の犠牲者になったのだろうと思いました。日本の冤罪事件は裁判所が検察官のいいなりになっている面が強いので、このあたりを改革しなければいけません。

第5話「裁判官の人事権の独立」(5)

旅ボン~イタリア編~旅ボン~イタリア編~
著者:ボンボヤージュ
販売元:ゴマブックス
(2007-09-18)
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 ネットを見ていたら、今日、山口県下関市の「あるかぽーと」という港に自衛隊の護衛艦が来ていると書いていたので、護衛艦を見にいきました。彼女がいないと好きに時間が使えるので、こういう時は便利だなあと思いました。その後、近くの喫茶店でナポリタンを食べながら、週刊誌を読んでいました。そういえば、ナポリタンというのは、「旅ボン~イタリア編~」(ボンボヤージュ著、ゴマブックス)によれば、日本で作られた料理で、イタリアのナポリとは関係ないだそうです。皿うどんが、明治時代に日本に来日した中国人のために作られた料理の様なものでしょうか。

 週刊「friday」9/2号に、東電OL殺人事件の犯人にされたゴビンダ・マイナリ氏の直筆の手紙が公開されていました。昔、ゴビンダ氏が日本語のカタカナだけで書かれた手紙をネットで見た事がありましたが、今度はきちんとした日本語で書かれているのを見て、横浜刑務所で相当苦労しているのだろうな、と感じました。手紙には、なぜ無実の証拠があるのに釈放してくれないのかと読者に訴える様でした。

 確かに足利事件という暴行殺人事件の犯人にされた菅家利和氏がDNA鑑定の結果、無実が証明された時はすぐに釈放されたのに、なぜゴビンダ氏は釈放されないのでしょうか。雑誌の解説でも一審が無罪になったと書かれている様に、その時点で検察官は裁判所に圧力をかけて無理やり有罪に持っていくのではなく、ネパールに強制送還させるべきでした。

 冤罪である足利事件も自白調書とズサンなDNA鑑定しかありませんでしたが、東電OL殺人事件が起きたのに、ゴビンダ氏は故郷のネパールに帰らずに、オーバーステイをしてまで働いていたのは、無実と考えるのが自然なのに、迷宮入りを避けるという面子にこだわり暴走した検察官や警察官は、ゴビンダ氏の手紙で指摘しているように、「foolish」だと言われても仕方がありません。こんな事をして殺害された渡邊泰子氏が喜ぶとでも思っているのでしょうか。

 足利事件や東電OL殺人事件は公平に審理すれば、陪審法が停止したままでも無罪判決が出た事件です。ゴビンダ氏の手紙でも指摘している様に、刑事裁判が問題を抱えているから、こういった冤罪が起きます。裁判官の人事権が法務官僚に握られているから、検察官に都合の悪い判決が下せないという現実があるので、政治家の方が裁判所法を改正して、「裁判官はどういった判決を出しても、一定期間は人事異動はしない。」としてもらいたいです。少なくとも、法務官僚は、ゴビンダ氏菅家利和氏の様にすぐに釈放して欲しいものです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(4)

愉快な裁判官愉快な裁判官
著者:寺西 和史
販売元:河出書房新社
(2000-04)
販売元:Amazon.co.jp
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 お盆休みに湯田温泉の足湯に入りました。少しのんびりしながら、寺西裁判の事を思い出したので、「裁判官の人事権の独立」の問題について書きたいと思います。この寺西裁判は、裁判官である寺西和史氏が、裁判所法52条の「積極的に政治活動をする事」の禁止が問題になった始めての裁判です。

 この裁判は、1998年4月18日に東京で開かれる盗聴立法反対の市民討論であるパネルディスカッション「盗聴法と令状主義」にパネリストの1人として招かれ、参加した事が高裁や最高裁によって、裁判所法52条後段の禁ずる積極的に政治活動をする事による職務上の義務を放棄したという違法行為となり、戒告する懲戒処分が下された事件です。裁判官が政治活動を行ったとして、裁判にかけられ、懲戒処分決定を下された事は、今まで例がありませんでした。言論弾圧が行われた昭和10年代の頃にもこういった例がなかったという事は、それよりもひどいというしかありません。

 寺西和氏判事がなぜ盗聴法に反対したかというのは、1997年10月8日の朝日新聞の声という読者投稿欄の「信頼できない盗聴令状捜査」という投書の中に書かれていますが、「法務省の法制審査会は令状により盗聴が行われるから心配ないという意見に対して、裁判官の令状審査の実態に触れている身としては、人権擁護の砦になるとは思えない。なぜなら、令状に関しては、ほとんど、検察官や警察官のいいなりに発行されている現実がある。」という見解を旭川地裁の判事補としての経験から示した事がありました。寺西判事が書かれた「愉快な裁判官」(寺西和史著、河出書房新社)という本もありますので、興味がある人は読んでみて下さい。

 裁判員法施行で裁判所の令状審査も少し厳しくなりましたが、1997年の令状却下率が0.1%なので、寺西判事の解釈は正しいと思います。それにしても、法務官僚は痛い所を突かれたので、権力にものをいわせて、言論弾圧をしたのでないでしょうか。法務官僚は、法律家らしく国会で、寺西判事や弁護士会との討論や議論でなぜ盗聴法成立が必要なのかという事を説明して欲しかったです。「裁判官の人事権」を握っている事をいい事に言論弾圧をするから、裁判官のレベルが落ちてしまうのではないでしょうか。

第5話「裁判官の人事権の独立」(3)

評伝・河合栄治郎―不撓不屈の思想家評伝・河合栄治郎―不撓不屈の思想家
著者:遠藤 欣之助
販売元:毎日ワンズ
(2005-11)
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 映画監督である北野武氏は、フジテレビに韓国スターを大量に起用している問題について、「見たくなければ、見なければいい。」と発言されました。その部分はいいのですが、その次に「ネットの書き込みを規制しなければいけない。」とコメントしましたが、これは明らかに言論弾圧につながる発言であり、検察官による言論弾圧に利用されそうな事はすぐに予想できます。

 かつて、暴走する軍部を批判した東京帝大教授の河合栄治郎氏が、警察官や検察官が出版法違反で起訴して、言論弾圧をするといった事がありましたが、ただでさえ、「東京都条例」で、検察官がその気になれば、言論弾圧が可能な状態なのに、これ以上、言論規制をされてはたまったものではありません。北野武氏には「評伝・河合栄治郎」(遠藤欽之助著、毎日ワンズ)でも見て、言論の自由を守る努力をして下さい。

 言論の自由について書きながら思い出しましたが、裁判官の人事権の独立の問題を考える上で、青年法律家協会の事も書きたいと思います。青年法律家協会は、1954年4月に、後の刑法学者の権威となる平野龍一氏や若手の法律家である加藤一郎氏によって創立され、やがて司法修学生や弁護士も加入するようになり、裁判官部会が創立されました。

 1970年代になると、青年法律家協会がベトナム戦争反対を訴えたために、法務官僚から「社会主義者の様な思想を持つ危険な団体」とされ、青年法律家協会に所属している裁判官に対して辞めさせる様になりました。もし辞めなければ、能力のある裁判官でも出世させないという圧力をかけて、思想弾圧に走りました。自分は青年法律家協会と何の関係もありませんが、そういう思想弾圧をするから、法務官僚である検察上層部のいいなりになった様な判決が出てしまいます。

 あと、なぜ青年法律家協会がベトナム戦争に反対したかといえば、憲法に忠実であり、人権擁護の精神に従って、戦争反対をしたいたのでしょう。アメリカのキング牧師も宗教家としての立場からベトナム戦争に反対したために、アメリカ政府に社会主義者として恨まれた事がありましたが、それと同じ様なものでしょう。法務官僚は、いまだに青年法律家協会所属の裁判官に対して思想弾圧をしていますが、青年法律家協会の機関誌である「篝火」がありますが、法律家の間でも取り扱い厳重注意を受けているので、知り合いの裁判官や検察官に相談しても、閲覧が出来ないのですが、青年法律家協会の精神の柱でもある「憲法に忠実に」という言葉を全国の裁判官が実行して、公平な裁判を実現して欲しいです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(2)

危機の外相 東郷茂徳
著者:阿部 牧郎
販売元:新潮社
(1993-03)
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 今日の朝、博多のラーメン屋でラーメンを食べていたら、8時過ぎのNHK-BSの番組で、近衛文麿首相を戦時中の首相と解説していましたが、第3次近衛内閣が1941年10月に総辞職して、東条英機内閣に戦争回避のすべてを託す事になります。このあたりが、NHKの製作者の勉強不足がにじみ出ている様でした。自分はテレビを持っていないので、NHKがいい加減な事を言っても気になりませんが、ここのラーメン屋の店長がNHK受信料を払っているので、この人達からお金をもらって働いているNHKスタッフは「危機の外相 東郷茂徳」(阿部牧郎著、新潮社)でも読んで、日本帝国が戦争回避のために苦労したか勉強をして欲しいです。


 8/7(日曜日)に韓国スターや韓国ドラマを押しつけるフジテレビに対して抗議デモが起きましたが、フジテレビの関連会社が韓国の音楽事業に力をいれているからといっても、ブームを作ろうとして、あまり過剰に自分の主観を押しつけるのはよくありません。リンカーン大統領が「少数の人を短期間騙す事は出来ても、大勢の人を長期間騙す事は出来ない。」という言葉を残したとカナダ人の方から聞きましたが、アメリカ人が長期間、情報操作が出来ない様に、日本人もいつまでもマスコミによる情報操作がきくはずがありません。

 日本になぜ陪審制度が出来たかといえば、裁判官の人事権が検察官の影響を受けている法務官僚に握られているので、第三者である成人男性に事実認定をもらうべきだという理由があった事をマスコミが隠しても、本やネットで調べるとすぐにわかります。それと、晋遊舎という出版社から「TBS報道テロ」という本が発行されましたが、この本では、マスコミはエリート意識が強く、一般人を見下した所があり、都合の悪い所を隠す所があると、述べられていました。

 マスコミによる報道の姿勢や下請けで働くスタッフを見下した態度をとっているのはよくないので、一応批判をしました。アニメ監督である新海誠氏は、ネット言論の大手である「2ちゃんねる」の批判を参考にするそうですが、マスコミ関係者も少しはネット言論くらいは見たほうがいいと思います。

第5話「裁判官の人事権の独立」(1)

家栽の人 (10) (小学館文庫)家栽の人 (10) (小学館文庫)
著者:毛利 甚八
販売元:小学館
(2003-07)
販売元:Amazon.co.jp
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 俳優の高岡蒼甫氏が、韓国スターを大量に起用するフジテレビを批判して、所属事務所を辞めさせられた問題でネット上で「言論弾圧」として大きな問題になっているので、昨日の夜に喫茶店に行き、雑誌や新聞を読んで見ましたが、雑誌以外に取り上げられていませんでした。今日のyahoo newsを見ると、高岡蒼甫氏が「社会人の常識が欠ける所があった。」として謝罪していましたが、謝罪しなければいけないのは、言論弾圧したフジテレビの方です。韓国スターの大量起用について議論するべきなのに、気にいらない意見を述べる人を言論弾圧するテレビ局は放送免許の取り消しをするべきでしょう。

 今回のフジテレビのやり方は、逮捕令状の許可を慎重に出す裁判官や無実の人を無罪判決を出す裁判官を左遷する法務官僚の手口とまったく同じです。テレビ局の関係者にしても裁判官にしても、強力な権力を持つ人から社会的弱者を守る義務があるのに、その義務を守ろうとする人を弾圧してはいけません。「家栽の人」(毛利甚八著、小学館)という裁判官をテーマにした漫画がありますが、主人公である家庭裁判所に勤務する裁判官のモデルの人は、逮捕令状を慎重に出したために左遷された裁判官だといわれています。

 そういえば、昨日の夜に喫茶店で新聞とかいろいろ読みましたが、戦争体験者の減少で戦争が風化しそうになっているなどと書いていました。戦争が風化しそうになっているかよりも言論弾圧について書くべきでしょう。青年将校達が斎籐実首相や高橋是清首相を暗殺した2.26事件を批判した河合栄治郎氏を警察官や検察官が言論弾圧したり、出版法27条や治安維持法を根拠に言論弾圧する検察官に対して、言論の自由を守ろうとした海野普吉弁護士の努力が風化しそうになっています。

 特に朝日新聞は横浜事件という大東亜戦争中の言論弾圧事件に巻き込まれているのに、高岡蒼甫氏の言論弾圧について何も思わないのでしようか。別にテレビ局が韓国スターを大量起用しても気にしませんが、法務官僚やテレビ局が気にいらない言論を弾圧する事に対して、マスコミも批判をして欲しいです。
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