第6話「裁判批評と表現の自由」(7)

魔法少女まどか☆マギカ 3 【完全生産限定版】 [DVD]魔法少女まどか☆マギカ 3 【完全生産限定版】 [DVD]
出演:悠木 碧
販売元:アニプレックス
(2011-06-22)
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 河合英治郎事件や横浜事件の様な言論弾圧事件について、暴走した検察官や警察官を批判をする事は簡単ですが、こうなったのは、権力を監視する役目を持っているマスコミは検察や警察や軍部である行政権力におもねってしまい、行政権力のいいなりになり、最後は横浜事件で、マスコミ関係者を中心に言論弾圧を受けて、取調べ中の拷問で5人の命を落とす最悪の事態になりました。

 旧陪審法は民意を反映させ、拷問による虚偽自白を避けるために成立させたのに、法務官僚が陪審法に欠陥をいれたのを見て見ぬふりをしていたので、国民を守るはずの国家権力によって、言論弾圧を受けましたが、マスコミはまったく反省していない様な気がします。たとえば、講談社の「歴史クロニクル」という分厚い本を読んでも、旧陪審法の事に全く触れていません。まるで、陪審法がないから、言論弾圧事件を受けた様な印象を受けます。

 1927年に発行された「陪審法の新研究」(梶田年著、清水書店)でも、法学士である著者が、陪審制度の適用範囲があまりにも狭いと批判しています。皇室に対する犯罪や内乱罪の様な同胞である国民の審判が必要な事件を受けられないのはおかしい、イギリスの陪審法では、刑事事件は基本的に陪審裁判を受けられるので、陪審裁判の範囲を拡大するべきである。それに殺人罪や放火で起訴されて、なお陪審裁判を受けるのは、無実の被告か証拠不十分の被告で、無罪判決を狙う不届き者しかいないだろうと主張されました。

 こういった本が2円50銭(今の貨幣価値で2500円くらい)で販売していたのに、マスコミは治安維持法が陪審法の適用外にされていたのを国民に訴えようとしませんでした。その後、1932年に作家の小林多喜二氏が治安維持法違反で逮捕され、取り調べ中の拷問で命を落としたのに、陪審制度の重要性に気がつかないふりをしていました。陪審法を成立させた高橋是清首相や原嘉道法相がいたので、この時なら陪審法の改正も出来たのに、マスコミは社会主義者ではないから、関係ないといった態度をとってしまったのが、残念です。

 そして、1939年の河合英治郎事件や1942年の横浜事件で、表現の自由が完全に侵害されました。今のマスコミも国家権力のいいなりになっているので、そろそろ態度を変えないと、とんでもないしっぺ返しを受ける様な気がします。自分もネット言論やブログで訴えていますが、漫画家時代の様な発言力が全くないので、マスコミ関係者で発言力のある方はフリーになって、権力の監視をして欲しいです。

第6話「裁判批評と表現の自由」(6)

魔法少女まどか☆マギカ 6 【完全生産限定版】 [DVD]魔法少女まどか☆マギカ 6 【完全生産限定版】 [DVD]
出演:悠木 碧
販売元:アニプレックス
(2011-09-21)
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 今日は祝日で、仕事が休みなので、喫茶店で最近の週刊誌を読みましたが、小沢一郎氏の無罪論を感情的に押しつける様な記事が目につきました。個人的には、小沢一郎氏には、取調べの一部始終を録画化する法案を成立して欲しいので、小沢一郎氏には頑張ってもらいたいのですが、公判が始まったのに、裁判官の判決に支障をきたす様な週刊誌の記事はやめた方がいいです。

 検察官役の弁護士が、小沢一郎氏の政治資金の虚偽記載という容疑を一般人が疑問を残さない程度に証明ができれば、有罪にするべきだし、一般人の感覚からして、疑問が残るようなら、無罪にするべきです。ロッキード裁判の様に、田中角栄元首相に5億円を渡したとされるロッキード社経営陣に刑事免責を与えて、その証言に反対尋問権なしという特例を最高裁が認めたという明らかにおかしい事をすれば、週刊誌がこれを非難するのは当然だと思いますが、小沢一郎氏を無罪にしなれければ、裁判官を批判する様な書き方をするのはよくありません。

 河合栄治郎事件や横浜事件の様な言論弾圧事件を戦った海野普吉弁護士は、裁判批評について、「被告人を必要以上に陥れたり、逆に被告人を必要以上に擁護するのはよくありません。ただ、裁判官の判決に支障をきたさない程度であれば、裁判批評は憲法に定めれた表現の自由に反しません。」と語っていました。

 週刊誌を書いている出版社の方も、読者をひきつける様な書き方をしないと、売上げの減少が止まらないから、読者に読まれそうな内容にしようとする気持ちはわかりますが、いくら不景気や無料のメルマガやブログの影響で、週刊誌や漫画雑誌の休刊が増えているからといって、裁判官の事実認定に影響を与える様な報道をすると、何のための刑事裁判なのか、わからなくなります。小沢一郎氏の一審判決が出て、その判決文がおかしいのであれば、その部分を報道したり、批判しても、遅くはないです。年配の方は、メルマガやブログよりも週刊誌を読んでいる方が多いので、その方のためにも、しっかりとした記事を書いて下さい。

第6話「裁判批評と表現の自由」(5)

咲 -Saki- 5 (ヤングガンガンコミックス)咲 -Saki- 5 (ヤングガンガンコミックス)
著者:小林 立
販売元:スクウェア・エニックス
(2009-03-25)
販売元:Amazon.co.jp
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 東京に住んでいる大学時代の友人から、もし日本の陪審制度が復活すれば、また漫画家に戻るのか、と聞かれました。今の裁判員制度が、フランスの陪審制度や日本の旧陪審制度の様になり、検察官控訴の廃止が決まれば、法務官僚に陪審制度を訴える必要もなくなるので、漫画を再び描く時間も出てきます。そして、東電OL殺人事件の再審無罪が確定すれば、このブログで読者に主張する事がなくなるので、ネット上で、カナダに1年間留学した経験をもとにした4コマ漫画でも描いてみようかな、と思っています。

 昔、漫画家をやっていたのも、停止中の陪審制度を復活させるために、法律書を買うお金が必要だったのですが、漫画家をやっている時に、読者からの手紙や応援のメールをもらっていると、漫画家をできれば続けたいな、と思った事もありました。

 ただ、自分が漫画家を引退した2001年と10年たった2010年とでは、相当、漫画家に対する待遇が違うので、かなり頑張らないと、漫画家として食べていけないでしょう。まず、倒産した出版社が増えて、どんどん出版社の数が減ってしまっている事です。2001年の出版社が4424社に対して、2010年の出版社が3815社まで落ち込んでいます。さらに売上げ上位100社で、すべての出版社の売上げの63.9%まで占めています。自分がイラストなどを描いていた桃園書房がいつの間にか倒産していました。

 ネットで「新文化通信」でもかかさず読めばわかる事ですが、漫画家を引退したので、まったくチェックしていませんでした。あと、出版社の出販物の売上が、2001年では、約2兆3401億円(書店販売額は、約1兆6552億円)に対して、2010年では、約1兆9286億円(書店販売額は、約1兆4016億円)になっています。それと、出版社の総売上、つまり出版物と版権収入とキャラクター使用料などの総額が、2001年では約3兆2698億円に対して、2010年では約2兆1281億円になっています。

 出版不況といわれていても、コミックの販売額は、全く落ちていないので、売れる物は売れるし、売れない物は売れなくなったという事でしょう。今までは、友人と会話を合わせるために、欲しくない物を買ったり、見たくないテレビ番組を見ていましたが、最近では、世間が少数派の趣味を認める傾向が強くなったのかもしれません。自分は、今の仕事を頑張って働くつもりですが、もし縁があって、漫画家の仕事に戻る事があれば、友人達の期待に応える様に頑張ります。

第6話「裁判批評と表現の自由」(4)

Letters to a Young Lawyer (Art of Mentoring)Letters to a Young Lawyer (Art of Mentoring)
著者:Alan M. Dershowitz
販売元:Basic Books
(2001-10-16)
販売元:Amazon.co.jp
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 前回に続いて、日本国憲法39条「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」についての話ですが、最高裁はこの規定を「一時不再理」のみを規定しました。そして、「訴訟亡国アメリカ」(高山正之著、立山珠里亜著、文藝春秋)で、最高裁の判断を美化しているので、これについて反論をしますが、これについての原文は、「ひとたび追訴手続から放免された行為について、有罪か無罪かを公判で審査される危険を二重に受けられる状態は禁止する。」と書かれています。

 無罪判決に対する検察官控訴の禁止(double jeopardy)の意味を翻訳家の方がわからなかったので、こういった訳になったのでしょう。この「検察官控訴の禁止」(double jeopardy)という制度は、陪審制度の「国民の声は、天の声」という考え方に強く結びついています。旧陪審でも、検察官控訴を禁止していたのは、現人神である天皇陛下の赤子である国民の判断である以上、それが誤った判断であり、真犯人を無罪と評決し、裁判長がそれを認めれば、検察官控訴を認めないのは、当然でしょう。今の裁判員制度の様に、再度上級審で公判を実施するということは、「国民の声」に従って、裁判を終わらせる選択に反します。

 逆に、誤った有罪判決であれば、被告人の人権を誤って侵害した事になるので、国民の声を正しく発揮できなかった手続がある場合は、限定的に認めるのが、この制度の趣旨です。旧陪審でも、刑事手続に著しい誤りがあった場合は、大審院(今の最高裁)に特別上告出来るのは、そのためです。

 誤って無罪判決を下した場合には、被告人の人権を誤って侵害するわけではないので、無罪判決に対する見直しは行わない、というのが、「国民の声」に従って、裁判をする英米法の考え方です。日本はアメリカ占領軍によって、英米法にされたので、「国民の健全な社会常識」によって、無罪と判断された事件を、国民が参加しない上級審によって、覆すとすれば、法務官僚の「司法の国民参加」が見せかけだったという事になります。

 あの「名張毒ぶとう酒事件」の一審判決は、無罪でしたが、公正な裁判手続を経て、無罪になったという事は、少なくとも検察官の証明が完璧ではなかったので、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則を貫くという意味でも、検察官控訴は廃止するべきです。特に裁判員裁判で、無罪判決が出たという事は、いくらかの裁判官や裁判員が検察官の証明に疑問を持ったという意味でも、検察官控訴を行うべきではありません。検察官控訴を認めるという事は、裁判官や国民の判断よりも、検察官の判断を上位に置くという意味でも問題があるので、来年の裁判員法改正に検察官控訴の廃止を導入して欲しいです。

第6話「裁判批評と表現の自由」(3)

日本の「未解決事件」100 (別冊宝島) (別冊宝島 1733 ノンフィクション)日本の「未解決事件」100 (別冊宝島) (別冊宝島 1733 ノンフィクション)
販売元:宝島社
(2011-03-11)
販売元:Amazon.co.jp
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 昨日の夜にyahoo newsを見ていたら、名張毒ぶどう酒事件の再審を認めないという報道がありました。名張毒ぶどう酒事件は、ジャーナリストの江川紹子氏が本を書いていますし、法律家のサイトでも紹介されていますが、1961年に三重県で、何者かによって、5人の方が毒殺された事件です。警察の見込み捜査で、殺害された女性の夫である奥西勝氏が起訴され、証拠が自白調書しかないため、一審で無罪判決を受けましたが、高裁で、逆転死刑判決を受け、最高裁で死刑が確定しました。

 法務官僚はともかく、一般人で奥西勝氏が真犯人と思っている人などいないでしょう。最近では宝島社から「日本の『未解決事件』100」という本が出版され、この中に、名張毒ぶどう酒事件が取り上げれているぐらいです。少し前の再審の時は、アメリカ人の心理学者が、自分の妻が殺害され、精神不安定になっている時に、取調べを受けていたために、やってもいない事をやったと告白したのだろうと、分析していましたが、再審を担当した裁判官は、やってもいない事をやったというわけがないと判断しました。

 やってもいない事をやったというのは、日本の冤罪事件のほとんどを占めていますし、旧陪審の初期の時でも、自白のみで起訴した事件がありました。名張毒ぶどう酒事件の再審無罪判決を出すと、一審の裁判官の判断が正しかったと法務官僚が認めるので、80歳を超えた奥西勝氏が亡くなるのを待って、この冤罪事件を闇に葬ろうとしているのでしょう。

 旧陪審なら、自白しかない奥西勝氏を無罪の評決が出るでしょうし、それも6人以上の無罪評決ではなくて、12人一致の無罪評決が出るので、裁判長も無罪判決をしぶしぶ出したでしょう。旧陪審法は欠陥だらけと言われていますが、被告人控訴が出来ない代わりに、検察官控訴も出来ないので、検察官控訴を認めている裁判員法より、はるかにマシです。

 日本国憲法39条で、「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」と規定していますが、最高裁は、これは検察官控訴を認めないのではなくて、「一時不再理」のみを保障したものであると解釈しましたが、一般人が読めば、検察官控訴の廃止という意味にしかとれません。それに検察官控訴を認めて、害になった事ならいくらでもありますが、役にたった事など聞いた事がありません。

 例をとると、河合栄治郎氏が2・26事件で高橋是清首相や斎藤実首相を暗殺した青年将校達を批判したために、検察から出版法違反で起訴された河合栄治郎事件で、逆転有罪判決で罰金刑が確定し、ジャーナリストが自由な言論活動を行う事が不可能に鳴りましたが、これでも検察官控訴を認めなければ、河合栄治郎氏の無罪が確定し、もう少し自由な言論が保障されていたはずです。だから、最高裁は検察官控訴を廃止にする判例を出して、奥西勝氏に再審無罪判決を出して欲しいです。

第6話「裁判批評と表現の自由」(2)

裁判官の犯罪―「科学の論理」と「判決の論理」 (1983年)
著者:稲木 哲郎
販売元:晩声社
(1983-10)
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 昨日は「法の日」だったので、yahoo newsで、「法の日」というのが、1928年の10月1日に日本で初めて陪審裁判が行われたのが由来になっています、と解説するかな、と期待していましたが、取り上げなかったのが残念でした。10月が乳がん検診月間であるブルーリボン月間なので、そちらの方に力を入れていました。まあ、乳がんは、日本人女性の16人に1人の割合といわれているので、乳がん予防に力を入れるのは当然ですが、贅沢をいえば、少しでいいので、停止中の陪審法の事について語って欲しかったです。

 陪審法専門家である作家の伊佐千尋氏は「病気と冤罪は人生を狂わせたり、命取りになってしまう。」と語っていました。徳島ラジオ商事件では、夫が殺害したのは妻であるという警察の見込み捜査で、精神的拷問による自白調書が取られ、これを根拠に有罪判決が出た事がありました。妻の方が亡くなった後に、多くの支援者や弁護団の努力の結果、再審無罪が取れました。この事件については「裁判官の犯罪」(稲木哲郎著、晩声社)に詳しく書かれています。

 徳島ラジオ商事件も、陪審法が停止していなければ、自白調書で有罪の評決が出る事もないし、仮に裁判長が、陪審の更新を行っても、無罪になるので、この女性も冤罪で一生苦しむ事はなかったと思います。「陪審制度は、憲法の原則を政府に守らせるために人間が考えだした唯一の有効な方法である。」とアメリカ3代大統領だったトーマス・ジェファーソン氏が語っていましたが、徳島ラジオ商事件の裁判は、日本国憲法38条で定められた「自白のみで有罪に出来ない。」という条文が完全に無視されました。

 井上薫元判事の様にエリート意識の強い方は、専門家でない人に何ができるのだと語るのでしょうが、細かい法解釈は、専門家である裁判官が訴訟指揮をすればいいだけなので、別に心配する事はありません。そういう事を影響力のあるyahoo newsで語れば、陪審法の関心が増えるでしょう。それにしも、yahoo newsは、一日に25億ページも見られているのはすごいと感心します。自分が昔、ホームページに4コマ漫画を掲載していた時は、一日に2~3万人ぐらいしかアクセスがなかった事を考えると、ものすごい影響力です。あと、公共放送であるNHKはそこまで必要ない存在になってしまったので、民営化するか、廃止した方がいいかもしれません。

第6話「裁判批評と表現の自由」(1)

かへたんていぶ 1 (ガンガンコミックスONLINE)かへたんていぶ 1 (ガンガンコミックスONLINE)
著者:藤代 健
販売元:スクウェア・エニックス
(2010-07-22)
販売元:Amazon.co.jp
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 先週の連休中に、東京から福岡県に戻って来た大学時代の友人とテニスをしました。テニスをしたのは、高校のクラスマッチ以来だったので、全身筋肉痛になりました。しばらくの間、「かへたんていぶ」(藤代健著、スクウェア・エニックス)などの漫画や高柳賢三氏の法律書でも読みながら、ゴロゴロして、過ごしました。そして、テニスをやっている時、全身から汗が止まらなくなってしまったので、スポーツジムに通おうと思いました。あと、テニス場の横断幕に「頑張れ!東北復興」と書かれていました。震災以来、東北地方の消費が落ち込んでいるので、元に戻せる様に、政府や国民が頑張らなければいけません。

 そういえば、明日(10/1)は「法の日」です。法の日は、1928年10月1日に、日本ではじめての陪審裁判が行われたのが由来になっています。当時の陪審裁判は、政権与党だった政友会や弁護士や国民から、司法の民主化で、冤罪をできるだけ防ぐと期待されていました。実際、捜査機関の無理のある自白は取れなくなりましたが、世界大戦の波に飲み込まれ、お金がかかる陪審裁判よりも、あまりお金がかからない通常裁判を選択する被告人が増え、1943年に、当時の東条英機首相が「大東亜戦争終戦まで、陪審法を停止する。」と国民に約束して、そのままになっています。

 だから、陪審法が再起動するまで、大東亜戦争が続いていると解釈できます。アメリカ占領軍が司法の民主化として、停止中の陪審法を再起動する案もあったそうですが、日本の法務官僚のすざましい抵抗で、実現しませんでした。その代わりに、アメリカの大陪審の変形である検察審査会が導入されました。陪審制度が日本で導入すると、拷問による自白で有罪に取れなくなってしまったので、検事局(今の検察庁)が自信のない事件を不起訴処分にしました。これでは、起訴するのも、起訴しないのも、検察の勝手とアメリカ占領軍が考えて、導入しました。

 ただ、アメリカの様に、陪審制度(小陪審)と大陪審とセットで施行するのなら、検察審査会の制度も機能したのでしょうが、陪審制度が停止中のままにしておくのは、大失敗だったと考えます。東京裁判の様なデタラメな裁判をするヒマがあれば、停止中の陪審法を復活して、真珠湾攻撃の時に、パーティーの二日酔いで開戦通告が遅れ、大勢の死者を出した日本の外交官を治安維持法違反で起訴するべきでした。そうすれば、親米派の日本人ももっと増えたのではないかと思います。

 明日の「法の日」に、どれだけのメディアが陪審制度について、取り上げてくれるのか、楽しみです。毎年、「法の日」になっても、停止中の陪審法の事について書かないので、そんなに検察庁のゴキゲンをとりたいのか、と考えてしまいます。明日、喫茶店に行って、新聞を見るつもりですが、最近のレベルの低い記事を見ると、国民に重要な情報を提供するというのが建前に過ぎないと感じています。せめて、yahoo newsのトップに「法の日」について紹介して欲しいです。では、10/2ごろに「法の日」について、またエッセーを書きたいです。

第6話「裁判批評と表現の自由」

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
著者:板倉 雄一郎
販売元:日経BP社
(1998-11)
販売元:Amazon.co.jp
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 小沢一郎氏の元秘書達が有罪判決を受けた事に対して、ネット上で裁判官の批判があります。この事件について詳しくないのでよくわかりませんが、これが停止中の陪審制度で行われていたなら、少なくとも裁判官に対しての批判はなかったと思います。この事件での裁判官に対しての批判は、数多くの冤罪事件で、検察庁の圧力に負けて、無実の被告に有罪判決を下した国民の怒りがあります。

 「裁判官は日本を滅ぼす」(門田隆将著、新潮社)という本で、裁判官の非常識な面について批判をしていますし、一般人と官僚として育てられた裁判官の感覚の違いというのをどうにかしなくてはいけないと訴えています。それにしても、もう少し早く、こういった本を出版できなかったという気がします。「社長失格」(板倉雄一郎著、ビジネス社)で、著者が会社の創業に失敗して、自己破産を申請している時に、担当した裁判官から、「なぜ君は涙を流して、謝罪しないのだ!」と叱ったそうですが、あの鈴木商店の様な大企業でも倒産する様に、会社の経営は難しいという小学生でもわかりそうな事に気がつかなかった事を考えれば、早く、停止中の陪審制度を復活させるべきだという結論になるはずです。

 日本の裁判官は、法解釈なら、立派な専門家であると自信を持っていえます。だから、陪審制度の訴訟指揮などはまったく心配していませんが、事実認定について争う場合は、裁判官の信念の強さや一般的な常識をどれだけ持ちあわせているかにかかっているので、裁判の当事者でなくても、かなり心配になります。

 セブン・イレブンがフランチャイズの店に圧力をかけて、賞味期限が切れそうな商品を安売りさせないのは、違法行為だとする福岡地裁の判決がありました。この判決は立派なものですが、もしこれが大企業ではなくて、行政権力やNHKの様に特殊法人なら、こういった気骨のある判決を下せるのか心配になります。1912年の無罪率が3.8%なのに対して、今年(2011年)の無罪率が0.1%になりそうな感じなので、小沢一郎氏の元秘書達が冤罪事件に巻き込まれた可能性は否定出来ません。高裁の逆転有罪率75%なのに対して、刑罰が軽くなったり、逆転無罪が出る確率は15%くらいですが、高裁の裁判官の方は、もし検察の証明に疑問を持つようなら、無罪判決を出して欲しいです。そうでないと、裁判官の信頼はいつまでたっても取り戻せません。

第5話「裁判官の人事権の独立」(15)

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)
著者:荒木 飛呂彦
販売元:集英社
(2011-05-27)
販売元:Amazon.co.jp
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 地元の本屋で買った「岸辺露伴 ルーヴルに行く」(荒木飛呂彦著、集英社)をアロマオイルで焚いた部屋の中で読みました。まるでフランスに旅行に行っている様な気分になれました。それはともかく、東電OL殺人事件で、検察側は事実認定で争う姿勢を崩さないそうです。かつて、ゴビンダ氏に無期懲役を求刑した女性検察官も、今の検察官も、停止中の旧陪審制度で、男性陪審員として事実認定をすれば、証拠も証人も目撃証言もないので、無罪の評決を出すでしょうが、検察上層部の面子を守るために暴走をしているので、どんな法律違反をしても、有罪維持に全力を尽くすでしょう。

 ちょうど中国の新幹線が脱線事故を起こした時に、中国政府が新幹線に生存者がいるかも知れないのに、新幹線を埋めようとしたり、事故の犠牲者が35人と報道しましたが、尼崎市の列車脱線事故でも100人以上の方が亡くなってしまったのを考えると、あまりにもおかしい報道です。それと同じ様に、東電OL殺人事件も検察庁の大暴走で、一審で無罪判決を下した裁判官を左遷させて、裁判所の独立を侵害したりした検察ファッショの重大な問題を完全に隠そうとしています。

 検察上層部の狙いは、新証拠が発見されたので、有罪になった受刑者が冤罪であるといった事実がわかったから、再審無罪になった様に世論操作するか、また裁判所に圧力をかけて、無理のある事実認定で有罪を維持させるかのどちらかでしょう。こんな事を書くと、証拠がないのに、陰謀説はよくないと言われそうですが、かつて、法務官僚は青年法律家協会所属の裁判官に対して弾圧を加えた事がありましたし、ゴビンダ氏に無罪判決を下した裁判官を在日ネパール人やアメリカ人の人権団体の注目する中で、左遷した事実だけで十分でしょう。

 「裁判官だってしゃべりたい」(裁判官ネットワーク著、日本評論社)で、元死刑囚だった免田栄氏と裁判官の対談が掲載されていて、裁判官の方が、免田事件の死刑判決を批判するのは簡単ですが、私が事実認定をする立場なら、無罪にできるかわからないとコメントをしていました。この問題は検察官にもいえると思います。今、ゴビンダ氏が新犯人であると考えている人は誰もいないでしょうが、上層部に逆らえる人が誰もいません。だから、国家権力に納税をしている国民から事実認定者を選ぶ陪審制度を復活させなけばいけません。「陪審制度は平和と安全の試金石」という言葉を残したトーマス・ジェファーソン大統領の言葉の重みを感じます。

第5話「裁判官の人事権の独立」(14)

お笑い外務省機密情報お笑い外務省機密情報
著者:テリー伊藤
販売元:飛鳥新社
(1997-10)
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 9/9のyahoo newsで、50代の羽田空港の管制官が自分のブログにアメリカ大統領の専用機であるエアフォースワンの機密情報を漏洩していた事を報道していました。この管制官の方は自分のやっている事が、オバマ大統領を危険にさらしているという事に気がつかなかったのが残念でなりません。

 この重大な事件を見て、大東亜戦争中に日本外務省が犯した大失態を思い出しました。真珠湾攻撃の時に、山本五十六長官は開戦直前に宣戦布告をするようにと、あれだけ東郷茂徳外相に念を押したのに、アメリカの日本大使館では、転勤する寺崎英成書記官のための送別パーティーを開き、井口貞夫参事官と奥村勝蔵書記官が二日酔いで、宣戦布告が遅れたために、アメリカ人の世論が沸騰して、短期決戦で戦争を終わらせるという山本五十六長官の計算が狂ってしまった事がありました。

 これについて、「お笑い外務省の機密情報」(テリー伊藤著、飛鳥新社)では、外交官がもっとしっかりすれば、東郷茂徳外相によって、大東亜戦争の早期講和が実現して、日米両国の軍人の死者があれほど出る事も、原爆投下もなかっただろう、とコメントしています。個人的には、早期講和が実現すれば、旧陪審法が停止する事もなくなるので、免田事件の様な冤罪事件もほとんど出なくなってでしょう。

 だから、ネット言論で、この50代の管制官に対して、切腹して、社会的責任を果たすべきだと言われるのはやむを得ない所があります。ただ、この事件はきわどい所で発見されたので、井口貞夫氏や奥村勝蔵氏の様に取り返しのつかなくなる事はなかったので、そこまでの社会的責任はないと思います。個人的には、二度とこういう事がない様に、羽田空港の上層部は、情報管理の徹底化をしてもらいたいです。

 あと、この50代の管制官は、1960年代に憲法さえ守れば、日本は安全である、といった平和教育を受けている世代であり、法律家の高柳賢三氏は、1963年に「天皇・憲法第九条」という本を出版された頃なので、戦争に関する危機管理というのがおろそかになっていたのかもしれません。憲法さえ守れば、日本は安全という神話が本当なら、伊藤博文首相も日露戦争を回避出来たでしょうし、山本五十六長官も大東亜戦争を回避出来たでしょう。この事件はあまりにも重大過ぎるので、なかなか感想を書けませんでしたが、重大事件につながらなくて、ほっとしています。

第5話「裁判官の人事権の独立」(13)

咲-Saki- 6 (ヤングガンガンコミックス)咲-Saki- 6 (ヤングガンガンコミックス)
著者:小林 立
販売元:スクウェア・エニックス
(2009-07-25)
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 今日(9/18)のlivedoor newsで、三重県警が一時停止をしなかったために、交通違反をした女性を1時間近くも取り調べ、「トイレに行かせてください。」という訴えを無視したために、女性が失禁してしまった事件が起きたと報道していました。外国の警察官は、事件で忙しいから、この程度の交通違反くらいで、1時間近くも拘束するといった事はしないと思います。それだけ、日本が事件の少ない国であり、日本の警察官が暇だという事になります。ネット言論で、この女性は携帯電話で録音する様な機転があったのに、なぜ運転免許書を見せなかったのだろうか、と疑問を持っていましたが、不審尋問を警察官から受けた経験からすると、無駄でしょう。警察官が無視するに決まっています。

 そういえば、大学時代につきあっていた彼女が、一時停止の所を無意識のうちに徐行して、警察官に捕まり、1時間も取調べを受けたために、「あの取り調べのせいで、おしっこを漏らしそうになったじゃないの。」と自分に文句をいわれた事を思い出しました。あれから、15年もたつのに、警察官の意識が変っていません。失禁した女性には、民事訴訟をして、警察官に賠償金支払いと、謝罪文を広告に載せる判決を出せる様に頑張って欲しいです。そうすれば、警察官の態度も変わるかもしれません。

 心理学の実験をする時に、実験をしてもらう人が、研究者の仮説通りになるようにするという傾向がある事を「実験効果」というと心理学者の浜田寿美男氏が述べた事がありました。そして、取り調べ室の中で、捜査官は自分の意見を押しつけたつもりがなくても、無意識のうちに、取調べを受けている人に対して、自分の意見を押しつけたり、自分の意見に近くなるように、誘導をしたりする事があるので、ひょっとしたら、自分の考えが間違っているのではないかと考えながら、取調べをして欲しい、と訴えていました。

 今の不景気の影響で、公務員の人員を削減して欲しいと国民の声があるので、納税者の国民を納得させようとして、警察官が無理のある交通違反の取り締まりをしたり、捜査官がずさんな見込み捜査と無理のある自白の強要をするのでしょうが、こんな事をすると、さらに国民の不信感を増やすだけなので、悪質な交通違反の取り締まりや、確実に疑わしい人のみを特定して、裁判所に令状発行をしてもらう様にするべきです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(12)

咲 -Saki- 7 (ヤングガンガンコミックス)咲 -Saki- 7 (ヤングガンガンコミックス)
著者:小林 立
販売元:スクウェア・エニックス
(2010-04-24)
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 東京に住んでいる友人が、ネットカフェで、漫画家の頃の自分が描いた漫画を見たので、また読んでみたいというメールが来ました。それにしても自分が漫画家だったのは、10年以上の前の話で、しかも単行本化されていないので、雑誌に掲載されたものしかないのに、そんな珍しい雑誌を置いているなんて、東京のネットカフェはすごいと感心します。国会図書館に行けば、自分が漫画家時代に描いた読みきり漫画やイラストが掲載されている雑誌があると思いますが、東京のネットカフェに置いてあるとは思いませんでした。

 そういえば、知り合いの裁判官の方とドイツの法学者であるミッテルマイエルの話で盛りあがりました。法学部出身の方なら、ウォルフガンフ・ミッターマイヤーといえば、ピンとくるのではないかと思います。明治時代に行政学の本が日本でも紹介されていたのですが、日本帝国の頃はドイツの法律が日本の法体系に合っていたので、ドイツの法律書がどんどん日本に輸入されていて、日本の法律家がドイツ法を中心に研究されていました。日本の旧陪審法もドイツの旧陪審法(1924年に廃止され、参審制度となりました。)とフランスの陪審法を参考にして法整備されました。

 その後、アメリカの占領政策のために、英米法になってしまい、アメリカの法律書がドイツの法律書が日本の古本屋でもあまり見かけなくなりました。日本帝国の頃は、法律家の高柳賢三氏がアメリカ法を研究するぐらいだったのが、今の法律家の方が英米法ばかり研究されて、ドイツ法の研究がおろそかになっている様な気がします。

 ミッテルマイエルの本が読みたいと思って、博多の古本屋で探しても見つからなかったので、とりあえず、自分の携帯で、ウォルフガンフ・ミッターマイヤーと打って、google検索をすると、銀河英雄伝説という人気アニメの登場人物の名前が大量に出て来ました。それを自分の妹に電話で話すと、銀河英雄伝説の中で、人気のある登場人物で、アニメの中では、提督になったらしいです。最近の日本では、ドイツ法の研究がおろそかになっている様な気がしていますが、人気アニメの登場人物の中で使われている事がわかって、少し嬉しかったです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(11)

この国の品質この国の品質
著者:佐野眞一
販売元:ビジネス社
(2007-10-31)
販売元:Amazon.co.jp
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 アメリカ合衆国第3代大統領だったトーマス・ジェファーソンは、「陪審制度は平和と安全の『試金石』」という言葉を残しましたが、彼は陪審制度について、「陪審制度は、憲法の原則を政府に守らせるために、人間が考えだした唯一の有効な方法である。」と解説しました。井上薫元判事の様にエリート意識が強い人がこの言葉を聞いたなら、「法律の専門家でない一般人に何が出来るのだ。」と言われそうですが、yahoo newsやlivedoor BLOGSで、よく取り上げる様になった「東電OL殺人事件」について、考えてみれば、刑事陪審の重要性がわかると思います。

 「この国の品質」(佐野眞一著、ビジネス社)でも書かれているのですが、東電OL殺人事件で一審無罪判決を下した大渕敏和判事が左遷され、福井の裁判所で裁判官人生を終えた事について、今の司法が抱えている問題を訴えています。もし、裁判官の人事権がドイツの様に独立していれば、刑事訴訟法の規定にもとづいて、オーバーステイしていたゴビンダ氏がネパールに強制送還されたでしょう。仮にゴビンダ氏が日本人だったとしても、自白調書も目撃証言も何もないので、高裁と最高裁で、無罪が確定したと思います。

 今日は仕事が休みなので、「この国の品質」を読みかえしました。ジャーナリストの佐野眞一氏が、ゴビンダ氏の長女と次女の方が日本で会った時に、「日本は素晴らしい国なのに、どうして無実のお父さんを捕まえたのかしら。」と言われたそうです。なぜ、警察がゴビンダ氏を逮捕したのか、自分にも全くわかりません。留学していたカナダから帰国した後、大学の友人から、この事件の事と逮捕されたネパール人は無実だろうと言われました。警察はチャイニーズ・マフィアの犯罪というのをごまかすために、あのネパール人を別件逮捕したのではないか、と推理していました。

 新犯人は、完全に闇の中に隠れて、迷宮入りしました。大学時代の友人が語った様に、チャイニーズ・マフィアの犯罪なのかどうかはわかりません。はっきり言える事は、ゴビンダ氏が無実である事と陪審制度が停止しているために、日本国憲法第76条の3項「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」という裁判官の独立が完全に空文化してしまった事です。裁判員法を陪審制度にできるだけ近づけないと、ゴビンダ氏の様に冤罪で苦しむ人が減りません。

 弁護団の献身的な努力があっても、再審無罪になるまで、30年以上もかかりますが、ジャーナリストの佐野眞一氏が外国にも、この冤罪事件を訴え、比較的短い期間で再審への道が開かれました。他のジャーナリスト達は、新証拠が見つかったので、再審への道が開かれそうだと説明していますが、陪審制度が停止してしまったので、裁判所が国家権力から独立出来なくなった事を説明して欲しいです。検察官や警察官の都合の悪い事を隠そうとするジャーナリストは、ゴビンダ氏や彼の家族が、検察官や警察官の面子を守るために、どれほど迷惑しているか考えて下さい。

第5話「裁判官の人事権の独立」(10)

蟹工船 (Bunch Comics Extra)蟹工船 (Bunch Comics Extra)
著者:小林 多喜二
販売元:新潮社
(2008-11)
販売元:Amazon.co.jp
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 アメリカ合衆国第3代大統領だったトーマス・ジェファーソンは、「陪審制度は平和と安全の『試金石』」という言葉を残されました。日本の旧陪審法が出版法や治安維持法の対象外になっているために、昭和10年代に、警察官や検察官による言論弾圧事件が起きました。特に有名なのが、作家であり、「蟹工船」の著者として知られる小林多喜二氏が1933年に受けた言論弾圧と1942年の大東亜戦争中に起きた横浜事件という言論弾圧事件です。当時は天皇陛下のもとの裁判であり、かなり公平に行われていたのであり、今の様に刑事裁判は暗黒裁判ではないので、すさまじい拷問による自白をしなければ無罪になったでしょうが、拷問で命を落とす様な取り調べに一般人には耐えられません。

 もし、陪審法が刑罰が軽い出版法でも適用されれば、軍部批判をしていた河合栄治郎氏が逆転有罪判決を受ける事もなかったでしょうし、法務官僚の影響で治安維持法が陪審法の適用外にされなければ、小林多喜二氏や横浜事件に巻き込まれた47人の内、5人が命を落とす事はなかったでしょう。放火や殺人で起訴された陪審裁判では、拷問による自白はまったく採用されませんでしたから、さすがに警察官も検察官も拷問による自白を取ろうとは思わなかったはずです。

 治安維持法が悪法として言われていますが、旧陪審法の対象外として、拷問による自白を許してしまったのが問題であり、皇室関係者や政治家や実業家を暗殺しようとする右翼テロや社会主義者を取り締まる事は当然の事です。歴史学者のリチャード・H・ミッチェル(Richard H Mitchell)氏が、1976年に書かれた「Thought Control in Prewar Japan」という本に、治安維持法による日本の思想統制についていろいろと書かれています。

 この本では、日本の思想統制は大した事はなかったと解説しています。その証拠に、多数の逮捕者が出ましたが、死刑になったのは、ジャーナリストの尾崎秀美氏1人ではないかと解説しています。(ソビエトのスパイだったリヒアルト・ゾルゲ氏も死刑になった事を忘れていますが・・・。)転向という日本独特な方法で再犯率1%以下という事を評価して、この頃の日本の思想統制がひどかったという通説を否定しています。

 この本の序論と結論で強調している様に、ナチス・ドイツやソビエト連邦の思想弾圧と比較すると、治安維持法は、大した事はなかったですが、旧陪審法についての重要性が書かれていなかったのが残念だったです。個人的には、法務官僚が陪審法の欠陥を上手く作ってしまったために、取り調べ中の拷問と思想弾圧を許してしまった事も書いて欲しかったです。それにしても、日本の歴史学者よりも、渡部昇一氏の様な英文学者やリチャード・H・ミッチェル氏の様な外国の歴史学者の方がレベルが高いのは、なぜなのでしょうか。

第5話「裁判官の人事権の独立」(9)

自白が無実を証明する―袴田事件、その自白の心理学的供述分析 (法と心理学会叢書)自白が無実を証明する―袴田事件、その自白の心理学的供述分析 (法と心理学会叢書)
著者:浜田 寿美男
販売元:北大路書房
(2006-10)
販売元:Amazon.co.jp
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 1963年に、女子高校生が誘拐されて、性的暴行された上に殺害された狭山事件が起きましたが、この事件の犯人とされた石川一雄氏の有罪証拠というのは、犯人しか知りえない事を語ったとされる自白だけであり、この自白調書が信頼できるかどうか検証したいです。

 自白調書で一番気になるのは、「女子高校生のズロースという当時の下着をひざのあたりまで脱がした後、性的暴行をしながら、首を絞め殺した。」という部分がありますが、ズロースという下着は、今のパンティーと違って、ある程度伸び縮みが出来ますが、いくら女子高校生が恐怖で抵抗出来なかったとはいえ、この状態で、セックスをしようとするには、かなり難しいです。

 バックの体位なら、まあ出来ない事はないのですが、この状態で首を締めようとするのは、かなり不自然です。なぜなら、セックスをしている時は常に腰を動かないと、自分も相手も気持ち良くなれないので、興奮している犯人がわざわざ腰を動かさずに、自分の陰茎を女子高校生の膣に挿入したまま、絞め殺したという調書に疑問を持ちます。個人的な思い出としては、セックスの時は、バックにしても、正常位にしても、疲れるからといって、腰を動かさないと彼女から怒られるので、騎乗位でセックスしてくれるのが楽だと思いました。

 あと、殺害された女子高校生が処女だったら、この状態でセックスをするのが難しくなります。つきあっていた自分の彼女は、全員セックスの経験者だったので、ピンと来ませんが、「ふたりエッチ」(克 亜樹著、白泉社)によると、処女の女性の膣に陰茎を挿入するのが難しいので、前戯をして相手に痛みをできるだけ感じない様にしなければならない、と説明していましたが、首を締めるという行為に集中しながら、セックスをするというのは考えにくいです。

 だからこの自白調書はセックスの経験のない警察官が書いて、石川一雄氏に押しつけただけの作文調書としか考えるしかありません。有罪判決を下した裁判官も、この文章にはおそらく疑問を持っていたでしょうが、無罪判決を下すと、検察庁のいいなりになっている法務官僚が無罪判決を下した裁判官を左遷させられ、マスコミも検察庁の情報が欲しいために裁判官を批判するでしょう。もし、狭山事件の犯人は石川一雄氏であるのは間違いないので、再審無罪を認めないという人がいれば、「自白が無実を証明する」(浜田寿美男著、北大路書房)という本を読んで見て下さい。

第5話「裁判官の人事権の独立」(8)

共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))
販売元:講談社
(1984-02)
販売元:Amazon.co.jp
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 菅直人首相に代わって、野田佳彦氏が新首相に決定しました。野田佳彦氏は経済知識もあり、福田赳夫首相に近い能力を持っている政治家なので、東北地方の復興や赤字国債の異常な増加を抑えられる事を期待しています。そして、菅直人首相では出来そうになかった北朝鮮の拉致問題の解決や今の裁判員法を出来るだけ陪審法に近づけて欲しいです。

 yahooの「みんなの政治」や2ちゃんねるでも、日本の民主党の中でも優秀な人材とか、自民党の政治家に近い感覚を持っているので安心できるとか、中国政府の様な大国でも言うべき事はしっかり言うといった本物の政治家である、といった肯定評価が多かったです。まあ、菅直人首相があれだけ出来が悪くて、枝野幸男氏がカバーしていなければ、東日本大震災の被害も大きかった事を考えると、野田佳彦氏の期待も大きいのもわかります。自分もYou Tubeで野田佳彦氏の演説を見ましたが、説得力のある演説をしているのに感心しました。

 アメリカでも大企業の関係者の評価も高いのですが、「A級戦犯は犯罪者ではない。」とする歴史認識をしているのを心配しているといった声がありますが、朝鮮日報が安倍晋三首相の「戦犯を許す法律ができているので、日本の法律上、戦争犯罪者は存在しない。」という見解を報道した事を忘れています。だいだいA級戦犯というのは、「平和に対する犯罪」と事件が起こってから出来た法律を無理やり適用していた事を一部のアメリカ人は完全に忘れています。

 罪刑法定主義という「法解釈の拡大の禁止」のは刑事裁判の基本であり、東京裁判で堂々と無視された結果、法務官僚が裁判官の人事権を好き勝手に使って、冤罪事件を連発している事を忘れてはいけません。東京裁判を肯定するアメリカ人は、狭山事件の犯人にされた石川一雄氏の様に、冤罪事件に巻き込まれると、東京裁判がどれだけいい加減な裁判だったかわかると思います。

 「刑事司法を考える」(下村幸雄著、剄草書房)によると、1945年の無罪率は1%だったそうですが、東京裁判が終わった1948年以降、無罪率が1%を超えたのは、1949年の1.75%、1950年の1.7%、1951年の1.73%、1952年の1.15%、1953年の1.06%しかありません。東京裁判の悪影響が日本の刑事裁判を覆っています。東京裁判で、裁判官としてインドのパール判事が日本無罪論を主張しましたが、気になる人は「パル判決書」(東京裁判研究会編、講談社)を読んで見て下さい。最後になりましたが、野田佳彦氏が総理大臣になる事によって、日本の刑事司法がまともになる事を祈っています。
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