第1話「カナダ滞在記」(3)

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 メルボルン事件の事を書いていますが、通訳者の誤訳だけでなく、被告人の弁護団についても書かなくてはいけません。あの通訳者の誤訳がなれけば、シドニー事件の様に陪審裁判で無罪の評決が出たはずですし、オーストラリアの法廷弁護士(バリスター)も日本の刑事弁護士の様にレベルが高く、全力で被告人の無罪を取るために努力したから、あまり批判をしたくはありませんが・・・。

 陪審制度は国家権力の暴走を防ぎ、自白の強制といった捜査機関のいい加減な冤罪から身を守ってくれます。だから日本の様に陪審法を停止すると、強制された虚偽自白による冤罪が止まらないのは当然なのです。

 ただ真実は被告人や神様しかわからないので、無実の人に無罪判決が出るとは限りません。オーストラリア人にとって、日本語はマイナーな言語であるので、ああいったとんでもない誤訳が出たのでしょうし、そういった特殊な事情を弁護団は、ビデオテープの映像や専門家の証人をもう少し上手く使って、陪審員に説明して欲しかったです。

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若き人々への言葉 (角川文庫ソフィア)若き人々への言葉 (角川文庫ソフィア)
著者:ニーチェ
販売元:角川書店
(1984-07)
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 哲学者のニーチェが当時の若者にむけて書いた本です。本当の名作というのは時代を超えて読まれるもので、時代が変わっても、現代の若い人が読んで役にたちそうなことを書かれているから、興味がある人はぜひ読んでくださいね。

第1話「カナダ滞在記」(2)

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 メルボルン事件の通訳について、当時のネットの掲示板でもかなり問題になっていたので、オンライン書店の「本やタウン」で、「メルボルン事件」についての本を検索してみました。驚いた事にたった2件しか出てきませんでした。

 1つは、冤罪に巻き込まれた日本人旅行者の手記ともう1つは、手話の通訳者が書かれた本で、その中にメルボルン事件の通訳の問題点が載っているそうです。日本の単行本は、年間7万~8万点も発行しているのに、本を出版する知識人や編集者は、なぜこんなに冤罪について、無関心でいられるのか理解出来ません。

 そういえば、休刊になった「E とらんす(翻訳の世界)」や「英語青年」で、メルボルン事件の通訳の問題点について解説した事がありませんでした。もし来日したカナダ人が取り調べの時に、日本人の通訳者の誤訳によって、冤罪に巻き込まれたのなら、カナダの雑誌や書籍などで、「取り調べの全面録画化をするべきだ」とか「停止中の陪審法を改良復活するべきだ」と主張するような気がします。

 日本の出版業界の売上が2兆円を切ってしまったのは、若者が本を読まなくなったのではなくて、若者は本よりもネット上のブログや掲示板の方が、良い情報を提供していると判断しているのではないでしょうか。

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ダブリナーズ (新潮文庫)ダブリナーズ (新潮文庫)
著者:ジェイムズ ジョイス
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 NHKのラジオ番組でも取り上げられたことのある名作ですが、本の署名だけ知っているけど、本の内容は知らないという人が多いそうです。時代背景がわからないと、最初はこの本の面白さがわからないと思いますが、翻訳家の方が上手に訳しているので、途中から夢中になって読めると思いますよ。

第1話「カナダ滞在記」(1)

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                           通訳には、リズムを重視するタイプの通訳と内容の正確さを重視するタイプの通訳があります。例えば、パーティーの演説で内容よりもその場の雰囲気を盛り上げなければならない時は、リズムを重視する通訳をしなければいけません。反対にメルボルン事件の取り調べの時には、内容の表現を正確に伝えなければいけません。いくらオーストラリアが陪審制度があり、取り調べの全面録画をしてるといっても、いい加減な通訳をしてはいけません。

 自分が大学を卒業して、通訳のアルバイトをしていた時に、先輩の通訳者から、リズムを重視する通訳は「あまり斬れない美術刀」であり、内容を重視する通訳は「良く斬れる質素な刀」であると表現していました。

 メルボルン事件の通訳者の様に「この麻薬の入った荷物はあなたのですか。」と言った取り調べの人の英語を「このスーツケースはあなたのですか。」と日本語に誤訳するのは、非常に困ります。なぜなら、日本人旅行者もオーストラリアの陪審員も映画の字幕なら誤訳があっても、まさかプロである通訳者があんないい加減な事をするとは思わないからです。

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社会福祉と通訳論 (手話を学ぶ人たちの学習室 全通研学校講義集)社会福祉と通訳論 (手話を学ぶ人たちの学習室 全通研学校講義集)
著者:真田 是
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 最近では福祉関係に興味を持つ人が増えてきていて、手話を勉強したいと思っているけど、本屋に行っても手話の本が多すぎてわからないという方もいるそうです。初歩的な手話の本はいろいろありますが、少し手話に慣れてきたら、この本がおすすめですよ。

第1話「カナダ滞在記」

BlogPaint メルボルン事件とは、1992年6月にメルボルン空港で日本人観光客4人が持っていたスーツケースからヘロインが発見されて、麻薬密輸の容疑で逮捕され、取り調べの時に通訳者の誤訳が原因で、オーストラリアの検察が起訴して、陪審裁判で有罪の評決を受けて、1994年の6月に4人に懲役15年という重い判決が下った事件の事です。

 ちなみに当時のニュースでも報道していましたが、10年くらい前に、日本人観光客の4人は、刑期を終えて、仮釈放というかたちで、日本に帰国しました。

 一方、似た様な事件で「シドニー事件」といって、日本人旅行者が知らない人から預かったビンの中に麻薬が入っていた事件でしたが、こちらの方は、状況証拠や弁護団のおかげで、陪審裁判で無罪の評決が出ました。

 自分がカナダに留学する前に、大学から言われた事ですが、観光客が自分の身を守るには、①荷物は自分で詰める事、②他人からの預かり物は気安く持たない事、という原則を守る事に尽きると思います。日本の様に麻薬密輸とあまり縁がない国はともかく、麻薬密輸の事件が起こりやすい国に旅行する場合、できるだけカギをかけた方が良いです。


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麻薬の運び屋にされて麻薬の運び屋にされて
著者:長野 智子
販売元:扶桑社
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 オーストラリアの警察が見込み捜査とミスと日本語通訳者の誤訳によって生じた冤罪事件であるメルボルン事件に巻き込まれて、無実の罪で刑務所生活を送った著者の回想記です。メルボルン事件に興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。
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