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 昨日、仕事の出張で九州新幹線に乗りました。昔、就職活動で特急「つばめ」に乗って熊本市によく行っていましたが、それよりも早くて、快適でした。時代が経つと、どんどん便利になっていくなあ、と感じました。それにひきかえ、日本の刑事司法は、時代が経つたびにどんどんひどくなり、日本国憲法で定めれている「裁判官の独立」という条文が空文化している様な気がします。

 例えば、ネット通販は薬剤師の対面販売でないという理由で、行政による薬の規制に対して、ネット通販会社による訴訟が起きていますが、常識で考えれば、対面販売の薬屋でも、ネット通販のサイトでも、お客が専門的な事でわからない事があれば、専門家である薬剤師の方が納得いくように説明してくれるはずです。

 だから、裁判所はこの規制はおかしいという判決が出るはずなのですが、一審判決ではこの規制を認めるといった判決が出ました。この規制が国会による議員立法なら、裁判所もこの規制はおかしいというのでしょうが、行政による規制だから、行政である法務官僚に人事権を握られている裁判官は行政に逆えなかったのだと思います。

 あと、「裁判官の独立」という文章が空文化したのは、官僚の様なお上には逆らえないという意識が働いていて、何も文句を言わなかった事が原因ですが、これについて、社会学者である小室直樹氏は「日本 近代国家に非ず」(小室直樹著、ビジネス社)で、日本人は江戸時代の感覚から抜け出せていないと分析しています。明治時代に列強から押しつけられた不平等条約を改正するために、とりあえず欧米の法体系を導入しているのに過ぎないので、憲法というのは国家権力の暴走を押さえつけるために存在する事が理解できない、と解説していました。

 2ちゃんねるの元管理人だった西村博之氏の様に、アメリカの留学経験のある人は理解しているのですが、学校の社会科の先生でも留学経験のない人は、法律というのは規制する対象がいろいろ違いますが、憲法は政府や行政を規制するという事を理解出来ません。自分が英語通訳でバイトをしている時、日本でも英語は話せるようになるので、留学は無駄という通訳ガイドの方がいらっしゃいましたが、留学をすると、いろいろ視野が広がりますし、特に陪審法がある国に留学すると、憲法や法解釈の重要性が理解出来るので、時間のある学生時代に留学をした方がいいです。できれば、自分の様に公費留学で、安いお金で留学する事をおすすめします。

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日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー
著者:小室 直樹
販売元:ビジネス社
(2010-12-21)
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 日本の司法は行政権力である警察や検察のいいなりになっていて、裁判所の独立というのが絵に描いた餅のようになっていることを具体的な例をあげながら説明しています。ドラゴン桜という漫画で「知らないというのは実に恐ろしいものなんだ」というセリフが出てきますが、この本を読むとそのセリフが思い出されます。興味のある方はぜひ読んでくださいね。