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 菅直人首相の不信任決議が否決され、菅内閣の継続が決定されました。菅直人首相は東日本大震災の復興にある程度メドがたってから、辞任されるそうですが、尖閣諸島の領有権をめぐっての中国政府の対応のまずさと東日本大震災の時に民主党政権の対応のまずさを考えると、不安を感じます。統一地方選挙で民主党が惨敗したのも、国民が菅内閣ではなく、小沢一郎氏の様な他の民主党議員に首相になってもらい、官僚を上手く使いこなし、東北地方の復興に全力を尽くして欲しいという民意があったのだろうと思います。

 それに来年は裁判員法の改正の年でもあり、停止中の陪審法復活にむけて、取り調べの一部始終を録画化する事や実務経験のある弁護士を裁判官にする法曹一元制が実現する様に努力しなければならないのに、この調子で大丈夫なのでしょうか、と思ってしまいます。

 専門家である官僚は情報処理能力は高いのですが、一般の社会常識に欠ける事があります。例えば、ルーズベルト大統領は日本帝国に対して石油封鎖をする事で、大東亜戦争を誘発して、ドイツに宣誓布告をしようとしましたが、ルーズベルト大統領が戦争反対を公約として当選したのだから、当時のアメリカ人に「アメリカ政府による石油封鎖は日米戦争の危険性がある」と言えば戦争回避になると、一般人なら考える事でも官僚である外交官には思いつかなかった事がありました。

 近衛文麿首相の長男である近衛文隆の生涯を描いた「夢顔さんによろしく(西木正明著、文藝春秋)」という本があります。泥沼化していた支那事変の収束にむけて努力する近衛文隆と近衛文麿首相の姿を見ると、政治家というのは国民のために働いているのだなと感じます。そして、近衛文麿首相にもう少し決断力があったら、日本帝国や旧陪審法の運命も変わったのではないかと思います。

 野党である自民党は野党しか出来ない事をやるのでしょうが、菅直人首相はパフォーマンスではなく、近衛文麿首相の様に全力で震災の対応にあたって欲しいです。

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夢顔さんによろしく夢顔さんによろしく
著者:西木 正明
販売元:文藝春秋
(1999-07)
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 近衛文麿の長男である近衛文隆の生涯について書かれている本です。近衛文麿は判断力があったけど、決断力がなかったので、歴史評論家の評価がすごく良くないですが、この作品は近衛文麿についての意外な面についてもしっかりと描いているので、歴史小説が好きな方はぜひ読んでみてくださいね。