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 昨日、本屋で「戦争×文学(集英社)」という本を買ったので、喫茶店でコーヒーを飲みながら読みましたが、1冊につき3750円というお金を払ってまで読む本ではありませんでした。評論雑誌で、大東亜戦争について、太宰治氏の様な当時の有名な作家が書かれている短編を編集していますと宣伝していたので、楽しみにしていましたが、編集した集英社の社員が駄目だったのだろうと感じました。もし、大東亜戦争関係の文学について読みたいのであれば、「米内光政(阿川弘之著、新潮社)」をお薦めします。

 先週、元漫画家の友人から「かへたんていぶ(藤代健著、スクウェア・エニックス)」を薦められて読んだときは良かったのに、今回の「戦争×文学(集英社)」は出来が悪いのは、専門家の編集者や評論家が選んだ事にあるのではないでしょうか。専門家は一般社会と違った世界で過ごしているので、一般人とは違った感覚になりやすいです。ちょうど官僚としての裁判官も一般社会とずれた感覚を持っているので、本人は全力でやっているのに、一般人から「トンデモ判決」と批判される事がよくあります。だからこそ、実務経験のある弁護士を裁判官にする法曹一元制を導入して、一般社会に接点のある弁護士の感覚を日本の司法に反映するべきです。

 「戦争×文学」シリーズは、戦争関係の名作を読みたくても絶版本になっているので、そういう読者のために企画されたそうなので、文庫版にして読者の手にとりやすい値段にして、作家や作品もインターネットで読者投票をして決めるべきだったのではないでしょうか。特に3750円という値段設定は、自分の様な独身の社会人でもなんとか払えるお金なので、お金のない学生は古本で欲しい本を探すしかありません。結局、本屋で本を買うお客が減ってしまい、出版不況が加速していっている様な気がします。

 「戦争×文学」シリーズは「興亡の世界史(講談社)」シリーズの様に失敗しそうですが、もし出版社がこういった企画を考えているのであれば、評論の有名ブログをやっている人の様に一般人と接点があり、専門家の様な知識のある人に相談をした方がいいと思います。

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米内光政 (新潮文庫)

阿川 弘之
新潮社
1982-05-27


 第二次世界大戦中にアメリカとの闘いで最小限の被害で止めようとしていた元首相の生涯を描いた作品です。朝日新聞のようなリベラル系のメディアは第二次世界戦を愚かな戦争と書いていますが、上から目線で戦時中の首相たちを批判している人に特に読んでもらいたい本です。この本を読むと、戦時中の首相たちが努力してくれたおかげで、今の日本の平和があると感じてもらえると思いますよ。