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 アメリカで、当時アメリカ占領下だったフィリピンに陪審制度を導入するかどうか、議論がされていた時に、後のアメリカ大統領になったタフト氏は、エール・ロースクールの卒業式で、この問題に関して、フィリピンの陪審制度導入について反対する演説をしました。

 大陸法は、国家権力(国会、行政、司法)の良心に多くを委ねる事で満足しているが、英米法では一般的な法律上の原則よりも、むしろ、訴訟手続の形式を主張して、個人を保護する事に重点をおいている。そして、訴訟手続で、最も重要なのは、陪審裁判を受ける権利である。(中略)

 そのアメリカでも、裁判官は、説示に欠かすべきではない事実について、意見を述べる事を禁止され、弁護人が被告のために作られた感情的な雰囲気を消す事が出来ない。少しでも、法律の手続に欠陥があれば、有罪者が無罪になってしまうのは、アメリカにおける刑法の実施が緩い証拠である。アメリカの陪審裁判がこの様なものであるので、これを一層、状況の悪いフィリピンに陪審制度を導入するべきではない。

 フィリピン人の知的水準が低い。(100年以上の前の話です。)そして、国家と被告の間に立つ陪審員は、国家の福祉以外の動機で動かさせる事になるであろう。フィリピンには、大陸法で行われ、陪審制度に必要不可欠な証拠法の整備がない。(以下、省略)

 このタフト氏の批評は、いろいろな批判を受けましたが、アメリカ大統領になるだけあって、100年以上たった今でも、いろいろと参考になります。陪審制度を導入する利点は、裁判官と違って、権力者に人事権を握られていないので、公平な判断が期待できます。

 その代わり、法解釈の専門家ではない一般人を司法参加させるためには、証拠法の詳細な整備や裁判官の説示が重要になってきます。12人の一般人を裁判所に入れるだけでは、逆効果になります。裁判員制度の様に、6人の一般人を入れたものの、法務官僚が裁判員法に、あれだけ欠陥を入れると、無実の人が冤罪で苦しむ状況が変わらない上に、一般人の感覚を入れている建前があるので、逆転無罪や再審への道が閉ざされています。

 タフト大統領の語っているように、日本を含めたヨーロッパ大陸国家は、権力者の良心に多くを委ねています。陪審制度の必要不可欠な証拠法の整備が不十分だったので、陪審制度が完全に定着せずに、裁判官と一般人が判決を下す参審制度が主流になったのかもしれません。

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科学的に正しい英語勉強法

メンタリストDaiGo
ディーエイチシー
2018-03-12





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