刑事裁判

第19話「可罰的違法性とは何か?」(9)

第19話(9) 1コマ第19話(9) 2コマ
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第19話(9) 4コマ

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ゼータへの招待 (シリーズ ゼータの現在)

 数式のζ(ゼータ)が織りなす美しい世界を紹介している本です。高校数学でデータ関数を習ったけど、数学は公式の暗記で全然面白くなかったという人が多くて、こういった数式の世界について書かれている本を敬遠すると思いますが、数学の世界は慣れてくると、こんな綺麗な世界があるのか、と感じるので、ぜひ読んでみてくださいね。

第17話「Northern Securities Co.v.United States.193.U.S.197(1904)」(後編)(14)

第17話(14) 1コマ第17話(14) 2コマ
第17話(14) 3コマ
第17話(14) 4コマ

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DVD付 女性のための 0からわかる ゴルフの基本 (GAKKEN ENJOY GOLF SERIES)

 ゴルフを始めてみたいと思っている女性が増えてきていますが、どういった練習をすればいいのか、服装はどうすればいいのか、と悩んでいる人もいるそうです。この本はそういった女性たちのために、基本的な道具や技術をDVDの動画付きで解説しているので、一か月でコースデビューできるようになるようになれますよ。

第8話「ミランダ事件の誤判について考えてみます」(7)

Reasonable Doubts: The O.J. Simpson Case and the Criminal Justice System (Thorndike Press Large Print Basic Series)Reasonable Doubts: The O.J. Simpson Case and the Criminal Justice System (Thorndike Press Large Print Basic Series)
著者:Alan M. Dershowitz
販売元:Thorndike Pr
(1996-08)
販売元:Amazon.co.jp
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 2009年5月に、裁判員法(裁判員が参加する刑事裁判に関する法律)が施行される直前になって、反対のデモに参加した人とメール交換をした時の話ですが、O.J.シンプソン裁判で、民事裁判では、12人の陪審員は、彼が犯人であると断言されたのに、刑事陪審では、DNAが一致したにもかかわらず、無罪になったから、刑事陪審は欠陥が多いので、陪審制度を復活させる事や刑事陪審の変形である裁判員制度にも反対である、という意見でした。

 まず、完全な事実の証明を100%とすると、民事裁判では証拠の優越(Preponderance of Evidence)といって、言い分が50%くらい正しい原告の方を採用しますが、刑事裁判の場合は、検察側が一般人から見て、疑問を抱かない程度の証明をしなけばいけません。元最高裁判所判事だった渡部保夫氏の著作では、これが95%くらいだろうというのを読んだ覚えがあります。だから、同じ陪審裁判でも、刑事陪審が無罪になったのに、民事陪審が有罪になる可能性があります。それに、陪審裁判をコントロールしたり、陪審員に説明するのは、裁判官の役割のはずです。

 O.J.シンプソン事件は、1994年6月12日に、ロサンゼルスの高級住宅街にある前妻のニコル・ブラウン宅で、ニコル・ブラウン氏とロナウド・ゴールドマン氏の惨殺死体が発見されました。ロス市警は17日に、被疑者として、前夫のO.J.シンプソン氏を逮捕しました。シンブソン(O.J.Simpson)氏は前面否認しました。

 警察は、現場で血染めの左手袋を発見し、血痕をDNA鑑定した結果、シンプソン氏のものと一致しました。もう、一方の右手袋がシンプソン氏の自宅の庭で発見され、そこに付着していた血痕のDNAは、ニコル氏とゴールドマン氏のものと一致しました。さらに、シンプソン氏の家に接する道路に駐車していた四輪駆動車の車内から血痕を採取し、DNA鑑定の結果、シンプソン氏のDNAと一致しました。また、自宅の寝室で発見された靴下にも、ニコル氏のDNAと一致しました。

 弁護団は、これがでっちあげだと、主張しました。シンプソン氏は事件の翌日に、警察による取調べを受けた時に、警察から任意で血液採取を応じました。採取された量は、8ccだったのに、鑑定のため、検査に回されたのが、6.5ccだったのは、警察が行方不明になった1.5ccをシンプソン氏とされる手袋などになすりつけたのではないかと主張されました。

 血液採取に立ち会った警察官が、採取したシンプソン氏の血液を直ちに、科学捜査研究所に回さず、ガラス容器に入れた血液を持ったまま、現場に行っていた事が明らかになりました。そして、血染めの手袋を発見したファーマン刑事が証拠を偽造していた可能性が出てきたり、人種差別主義者であることが明らかになり、1994年11月3日~1995年9月28日まで、11ヵ月も続いていた陪審裁判で、10月2日に無罪の評決が出ました。

 これについて、当時の日本のマスコミは、弁護側の戦術によって、主要争点が人種問題にすりかわり、陪審員は、証拠よりも、警察に対する反感と被告人の同情から、無罪評決を出したと解説して、だから日本で停止中の陪審制度を復活しては駄目なんだ、といいたげな報道をしていましたが、DNA鑑定の証拠能力があれば、シンプソン氏の有罪が決まっていたようなもので、シンプソン氏の弁護団も、司法取引で死刑を回避するしか方法がなかったのに、ファーマン刑事達の大暴走のせいで、DNA鑑定の証拠能力をガラクタにしてしまいました。

 シンプソン氏が白人でも、黒人でも、刑事陪審の評決が変わらなかったでしょう。陪審員は、警察が証拠を偽造した可能性がある事という疑問が残りました。シンプソン氏に無罪評決を下した陪審員の1人は、「シンプソン氏は2人を殺害したと思うが、検察がそれを合理的な疑問を余地なく証明出来なかった。」と述べました。

 マスコミの様に、日本で停止中の陪審法を批判したり、O.J.シンプソン氏の無罪評決を人種問題にすりかえたり、井上薫判事の様に、国民の司法参加をバカにする人は、1996年に、シンプソン氏の弁護団の1人で、ハーバード・ロースクールの教授であるダーショウィッツ氏が書かれた
「Reasonable Doubts」(Dershowitz Alen著、NewYork;Simon&Schuster)を読んで欲しいです。この本には、裁判所で証言する警察官がいかに偽証するケースが多い事や、それを黙認している警察官や裁判官がいかに多いのかを批判し、検察側の証明に、疑問を払拭出来なかったから、刑事陪審が無罪になったのは、当然の判断だったと結論づけています。日本の刑事裁判の方がアメリカよりも、そういった傾向が強いので、一度は読んだ方がいいと思います。ダーショウィッツ氏は学者としても、法廷弁護士としても、一流の方だけあって、文章がわかりやすいです。自分も、ダーショウィッツ氏の様なわかりやすい文章で書きたいです。

第5話「裁判官の人事権の独立」(11)

この国の品質この国の品質
著者:佐野眞一
販売元:ビジネス社
(2007-10-31)
販売元:Amazon.co.jp
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 アメリカ合衆国第3代大統領だったトーマス・ジェファーソンは、「陪審制度は平和と安全の『試金石』」という言葉を残しましたが、彼は陪審制度について、「陪審制度は、憲法の原則を政府に守らせるために、人間が考えだした唯一の有効な方法である。」と解説しました。井上薫元判事の様にエリート意識が強い人がこの言葉を聞いたなら、「法律の専門家でない一般人に何が出来るのだ。」と言われそうですが、yahoo newsやlivedoor BLOGSで、よく取り上げる様になった「東電OL殺人事件」について、考えてみれば、刑事陪審の重要性がわかると思います。

 「この国の品質」(佐野眞一著、ビジネス社)でも書かれているのですが、東電OL殺人事件で一審無罪判決を下した大渕敏和判事が左遷され、福井の裁判所で裁判官人生を終えた事について、今の司法が抱えている問題を訴えています。もし、裁判官の人事権がドイツの様に独立していれば、刑事訴訟法の規定にもとづいて、オーバーステイしていたゴビンダ氏がネパールに強制送還されたでしょう。仮にゴビンダ氏が日本人だったとしても、自白調書も目撃証言も何もないので、高裁と最高裁で、無罪が確定したと思います。

 今日は仕事が休みなので、「この国の品質」を読みかえしました。ジャーナリストの佐野眞一氏が、ゴビンダ氏の長女と次女の方が日本で会った時に、「日本は素晴らしい国なのに、どうして無実のお父さんを捕まえたのかしら。」と言われたそうです。なぜ、警察がゴビンダ氏を逮捕したのか、自分にも全くわかりません。留学していたカナダから帰国した後、大学の友人から、この事件の事と逮捕されたネパール人は無実だろうと言われました。警察はチャイニーズ・マフィアの犯罪というのをごまかすために、あのネパール人を別件逮捕したのではないか、と推理していました。

 新犯人は、完全に闇の中に隠れて、迷宮入りしました。大学時代の友人が語った様に、チャイニーズ・マフィアの犯罪なのかどうかはわかりません。はっきり言える事は、ゴビンダ氏が無実である事と陪審制度が停止しているために、日本国憲法第76条の3項「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」という裁判官の独立が完全に空文化してしまった事です。裁判員法を陪審制度にできるだけ近づけないと、ゴビンダ氏の様に冤罪で苦しむ人が減りません。

 弁護団の献身的な努力があっても、再審無罪になるまで、30年以上もかかりますが、ジャーナリストの佐野眞一氏が外国にも、この冤罪事件を訴え、比較的短い期間で再審への道が開かれました。他のジャーナリスト達は、新証拠が見つかったので、再審への道が開かれそうだと説明していますが、陪審制度が停止してしまったので、裁判所が国家権力から独立出来なくなった事を説明して欲しいです。検察官や警察官の都合の悪い事を隠そうとするジャーナリストは、ゴビンダ氏や彼の家族が、検察官や警察官の面子を守るために、どれほど迷惑しているか考えて下さい。

第5話「裁判官の人事権の独立」(8)

共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))共同研究 パル判決書(上) (講談社学術文庫 (623))
販売元:講談社
(1984-02)
販売元:Amazon.co.jp
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 菅直人首相に代わって、野田佳彦氏が新首相に決定しました。野田佳彦氏は経済知識もあり、福田赳夫首相に近い能力を持っている政治家なので、東北地方の復興や赤字国債の異常な増加を抑えられる事を期待しています。そして、菅直人首相では出来そうになかった北朝鮮の拉致問題の解決や今の裁判員法を出来るだけ陪審法に近づけて欲しいです。

 yahooの「みんなの政治」や2ちゃんねるでも、日本の民主党の中でも優秀な人材とか、自民党の政治家に近い感覚を持っているので安心できるとか、中国政府の様な大国でも言うべき事はしっかり言うといった本物の政治家である、といった肯定評価が多かったです。まあ、菅直人首相があれだけ出来が悪くて、枝野幸男氏がカバーしていなければ、東日本大震災の被害も大きかった事を考えると、野田佳彦氏の期待も大きいのもわかります。自分もYou Tubeで野田佳彦氏の演説を見ましたが、説得力のある演説をしているのに感心しました。

 アメリカでも大企業の関係者の評価も高いのですが、「A級戦犯は犯罪者ではない。」とする歴史認識をしているのを心配しているといった声がありますが、朝鮮日報が安倍晋三首相の「戦犯を許す法律ができているので、日本の法律上、戦争犯罪者は存在しない。」という見解を報道した事を忘れています。だいだいA級戦犯というのは、「平和に対する犯罪」と事件が起こってから出来た法律を無理やり適用していた事を一部のアメリカ人は完全に忘れています。

 罪刑法定主義という「法解釈の拡大の禁止」のは刑事裁判の基本であり、東京裁判で堂々と無視された結果、法務官僚が裁判官の人事権を好き勝手に使って、冤罪事件を連発している事を忘れてはいけません。東京裁判を肯定するアメリカ人は、狭山事件の犯人にされた石川一雄氏の様に、冤罪事件に巻き込まれると、東京裁判がどれだけいい加減な裁判だったかわかると思います。

 「刑事司法を考える」(下村幸雄著、剄草書房)によると、1945年の無罪率は1%だったそうですが、東京裁判が終わった1948年以降、無罪率が1%を超えたのは、1949年の1.75%、1950年の1.7%、1951年の1.73%、1952年の1.15%、1953年の1.06%しかありません。東京裁判の悪影響が日本の刑事裁判を覆っています。東京裁判で、裁判官としてインドのパール判事が日本無罪論を主張しましたが、気になる人は「パル判決書」(東京裁判研究会編、講談社)を読んで見て下さい。最後になりましたが、野田佳彦氏が総理大臣になる事によって、日本の刑事司法がまともになる事を祈っています。

第5話「裁判官の人事権の独立」(7)

狭山事件 虚偽自白 (法と心理学会叢書)狭山事件 虚偽自白 (法と心理学会叢書)
著者:浜田 寿美男
販売元:北大路書房
(2009-08)
販売元:Amazon.co.jp
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 裁判官の人事権を検察上層部や裁判所上層部である法務官僚からの独立を考える上で、「狭山事件」は説明しなければならないので、解説をします。狭山事件に関しては、「狭山事件 虚偽自白」(浜田寿美男著、日本評論社)という本に、心理学者の観点から詳しく書かれていて、今は、北大路書房から改定版が出ているので、そちらの方を見られた方がいいと思います。

 この事件は1963年5月に当時女子高校生だった16歳の少女が埼玉県狭山市で、何者かによって誘拐されて、数日後に狭山市内の被差別部落に近い農道で、性的暴行を受けた後に、遺体となって発見された事件です。埼玉県警が別件逮捕で、石川一雄氏を逮捕して、取調べの時に石川一雄氏が、「容疑を認めれば、司法取引で10年で釈放させる」と刑事の約束を信じて、虚偽自白を維持して、1964年3月に浦和地裁は、石川一雄被告に死刑を言い渡しので、石川一雄氏が虚偽自白を撤回しました。そして、1974年10月の東京高裁で、青木英五郎弁護士の努力の結果、どうにか無期懲役まで量刑が下がりました。最高裁判所は上告を棄却して、無期懲役が確定しました。

 この裁判で、裁判所が検察のいいなりになっている事が明らかになり、青木英五郎弁護士は停止中の陪審法を改良復活させなければいけないと痛感したそうです。自分より上の世代の人は、陪審復活を考えるきっかけになったのは狭山事件だという人が多いです。自分の場合は、無実の証拠よりも虚偽自白を優先したロッキード裁判や免田事件再審無罪判決ですが、それに近いものがこの事件にはあります。

 狭山事件の場合、女子高校生を誘拐して、脅迫状を書いた人が犯人である、という事は小学生でもわかる事です。脅迫状と筆跡が一致しないと警察の鑑定が出た以上、石川一雄氏は無実であるといいきれます。少なくても、陪審法が停止していなければ、無罪の評決が出たでしょう。1986年8月に、青木英五郎弁護士の死後、弁護団は第二次再審請求を行いましたが、その結果がまだ出なかった1994年12月に、石川一雄氏は仮釈放となりました。

 この再審請求がどうなったかと言えば、1999年7月に高木俊夫判事によって、却下されました。この判決をネットで知って、ノストラダムスの大予言というのは、これを指しているのかとネットの掲示板に書きこみました。だいたい、再審請求というのは、新証拠によって、警察や検察の証明が完璧にならなくなったら、公判を開始しなければいけないのは当然の事です。石川一雄氏が無実というのを法務官僚はそこまでして隠したいのでしょうか、と思ってしまいました。

第5話「裁判官の人事権の独立」(6)

完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
著者:樋口 清之
販売元:祥伝社
(2000-02)
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 お笑い芸人である島田紳助氏が暴力団の関係があったとして、芸能界を引退したとネット上で話題になっていますが、昔からヤクザとテレビ局はいろいろとつきあいがあると噂になっていますので、何をいまさら問題にしているのかが、よくわかりません。あと、ヤクザの存在を批判する人が多いのですが、「梅干と日本刀」(樋口清之著、祥伝社)によると、ヤクザは、江戸時代から社会的にはみ出した人の受け入れ先になっていますし、一般人に手を出すと、社会的に制裁を受けると書かれています。あまり警察官がヤクザを排除しすぎると、今度は外国のマフィアが日本に進出してくるので、逆効果になります。自分はヤクザは必要悪だと思うので、必要以上に怖がらない事と事件に巻き込まれたら、ヤクザではなく、弁護士に相談した方がいいと思います。

 前回、足利事件について触れたので、今回はこの事件について説明したいと思います。足利事件は、1990年5月に、栃木県足利市の渡良瀬川河川敷で当時4歳だった少女が性的暴行を受けた後に殺害される事件が起きました。その1年半後に、幼稚園のマイクロバス運転手だった菅谷利和氏が殺人容疑と死体遺棄容疑で逮捕され、1993年7月に宇都宮地裁は無期懲役の判決を出しました。その後、東京高裁と最高裁が控訴を棄却して刑が確定しましたが、科学技術の発達により、DNA鑑定の結果、冤罪と判明して、再審無罪判決が出されました。

 菅谷利和氏の有罪の根拠とされたのは、不確定要素の多かったDNA鑑定と拷問による自白しかなかったので、裁判官がしっかりと審議してくれたら、無罪判決が出たでしょう。「幼稚園バス運転手は幼女を殺したか」(小林篤著、草思社)でも無罪の可能性を訴えていまししたし、「裁判官の犯罪『冤罪』」の著者である木下信夫氏は弁護士としてこの事件の冤罪を訴えていましたので、日本の陪審法が停止していなければ、無罪の評決が出た事件です。

 足利事件の一審が東電OL殺人事件の様に無罪判決が出ても、東京高裁で逆転有罪判決が出たでしょう。なぜなら、有罪にしたのが東電OL殺人事件の被告人だったゴビンダ氏に逆転有罪判決を下した高木俊夫判事だったからです。別に高木俊夫氏が裁判官として最低だと言いたいのではなくて、裁判官の人事権が法務官僚に握られているので、ゴビンダ氏や菅谷利和氏を無罪にしようとすると、自分の裁判官生命を賭けなければいけなくなるので、どうしても冷静な判断が出来なくなります。

 コビンダ氏や菅谷利和氏は、有罪判決を下した高木俊夫判事に「私はやっていません。」とはっきり言いました。警察官や検察官の言い分だけを垂れ流す新聞記事を見ていた自分でも警察官の主張には疑問が残りましたから、多分冤罪であり、日本の刑事裁判の制度疲労の犠牲者になったのだろうと思いました。日本の冤罪事件は裁判所が検察官のいいなりになっている面が強いので、このあたりを改革しなければいけません。

第5話「裁判官の人事権の独立」(5)

旅ボン~イタリア編~旅ボン~イタリア編~
著者:ボンボヤージュ
販売元:ゴマブックス
(2007-09-18)
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 ネットを見ていたら、今日、山口県下関市の「あるかぽーと」という港に自衛隊の護衛艦が来ていると書いていたので、護衛艦を見にいきました。彼女がいないと好きに時間が使えるので、こういう時は便利だなあと思いました。その後、近くの喫茶店でナポリタンを食べながら、週刊誌を読んでいました。そういえば、ナポリタンというのは、「旅ボン~イタリア編~」(ボンボヤージュ著、ゴマブックス)によれば、日本で作られた料理で、イタリアのナポリとは関係ないだそうです。皿うどんが、明治時代に日本に来日した中国人のために作られた料理の様なものでしょうか。

 週刊「friday」9/2号に、東電OL殺人事件の犯人にされたゴビンダ・マイナリ氏の直筆の手紙が公開されていました。昔、ゴビンダ氏が日本語のカタカナだけで書かれた手紙をネットで見た事がありましたが、今度はきちんとした日本語で書かれているのを見て、横浜刑務所で相当苦労しているのだろうな、と感じました。手紙には、なぜ無実の証拠があるのに釈放してくれないのかと読者に訴える様でした。

 確かに足利事件という暴行殺人事件の犯人にされた菅家利和氏がDNA鑑定の結果、無実が証明された時はすぐに釈放されたのに、なぜゴビンダ氏は釈放されないのでしょうか。雑誌の解説でも一審が無罪になったと書かれている様に、その時点で検察官は裁判所に圧力をかけて無理やり有罪に持っていくのではなく、ネパールに強制送還させるべきでした。

 冤罪である足利事件も自白調書とズサンなDNA鑑定しかありませんでしたが、東電OL殺人事件が起きたのに、ゴビンダ氏は故郷のネパールに帰らずに、オーバーステイをしてまで働いていたのは、無実と考えるのが自然なのに、迷宮入りを避けるという面子にこだわり暴走した検察官や警察官は、ゴビンダ氏の手紙で指摘しているように、「foolish」だと言われても仕方がありません。こんな事をして殺害された渡邊泰子氏が喜ぶとでも思っているのでしょうか。

 足利事件や東電OL殺人事件は公平に審理すれば、陪審法が停止したままでも無罪判決が出た事件です。ゴビンダ氏の手紙でも指摘している様に、刑事裁判が問題を抱えているから、こういった冤罪が起きます。裁判官の人事権が法務官僚に握られているから、検察官に都合の悪い判決が下せないという現実があるので、政治家の方が裁判所法を改正して、「裁判官はどういった判決を出しても、一定期間は人事異動はしない。」としてもらいたいです。少なくとも、法務官僚は、ゴビンダ氏菅家利和氏の様にすぐに釈放して欲しいものです。

第5話「裁判官の人事権の独立」

満州と自民党 (新潮新書)満州と自民党 (新潮新書)
著者:小林 英夫
販売元:新潮社
(2005-11)
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 高い地位にある人物が、その地位についている権限を悪用して、財産を目的外のために使用する行為を背任(MIsappropriation)といいます。会社の重役が、設備投資の資金を自分が作ったペーパーカンパニー(書類上の会社)に流用し、その結果、会社や株主に損害を与えると背任罪が適用されます。

 背任事件といって思いだすのが、満鉄事件なので、この事件について説明したいと思います。満鉄というのは、南満州鉄道株式会社の略語で、1905年に日露戦争で得た南満州鉄道の権益をもとにして、設立された株式会社で、日本帝国が満鉄の株式の半分を押さえているので、国有の会社といってもいいかもしれません。満鉄は満州国の生命線になり、後に満州国を吸収した中国の経済基盤になりました。満鉄の詳しい事は「満州と自民党」(小林英夫著、新潮社)にわかりやすく書かれていますので、本屋で買って見て下さい。

 その満鉄が1921年に政権与党だった政友会を揺るがす大事件が起きました。当時の満鉄の実権を握っていた原敬首相の腹心である中西清一氏が塔蓮炭鉱や鳳山丸及び日本電気化学工業撫順工場を評価価格以上の価格で買収して、政友会関係者に不当な利益をもたらしたとされる事件です。満鉄は日露戦争で多くの国民の生命と税金で勝ち取ったものであるので、この事件がきっかけになり、多くの国民が政友会を恨む様になってしまい、中岡艮一氏によって原敬首相が暗殺される事になり、日本外交が迷走する事になりました。

 この事件は第一審の東京地裁で有罪になりましたが、花井卓蔵弁護士の努力により第二審の東京控訴院で無罪判決が出ました。後の1930年に花井卓蔵弁護士が春秋社という出版社から「訴庭論草 満鉄事件を論ず(附)陪審法案に就いて」という本を発行しているので、それを参考にして説明をしました。1921年の無罪率は4.3%であり、法律新聞で判決文を読んでも、裁判官がしっかりと審議してくれたのが良くわかります。満鉄事件は難しい法律問題があり、当時の裁判官が検察官や弁護人の主張に耳を傾けてくれた様に、今の裁判官ももう少し真剣に審議して欲しいと思います。

第4話「陪審制度は平和と安全の試金石」(15)

日本 権力構造の謎〈上〉日本 権力構造の謎〈上〉
著者:カレル・ヴァン ウォルフレン
販売元:早川書房
(1990-09)
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 株価急騰の要因になる未公表の内部情報を利用して、有価証券を売買する事をインサイダー取引(Insider Trading)と言います。アメリカやリクルート事件の後の日本で、新製品の発表などの極秘の情報を入手して、新規上場される予定の株式を購入して、急騰後に売却して大もうけをする事は犯罪行為になります。

 リクルート事件は、1988年にリクルート社の江副浩正元社長達がリクルート社の子会社の未上場株を当時の政権与党だった自民党幹部達に贈与した事が証券取引法違反にあたるとして、逮捕されて、執行猶予つきの有罪判決を受けた事件です。オランダ人ジャーナリストが書いた「日本 権力構造の謎」(カール・ヴァン ウォルフレン著、早川書房)では、未上場株の贈与は当時の日本では禁じられていないと、解説していました。それを読んで、日本のジャーナリストと違って、海外のジャーナリストははっきり言うなと感心した事があります。

 この本を書いた動機は、日本は言論の自由が許された自由の国であるのに、独裁国家の様な面もあるのに興味を持ったからだそうですが、この本は当時の日本でベストセラーになりました。日本の裁判官が検察官のいいなりになっているという面をはっきり書いていて、面白い本でした。これを法務官僚が読んで、停止中の陪審法を復活されて、公平な判断をするとか、リクルート事件の公判を公平なものにしようとする事がなかったのが残念でした。

 リクルート事件は、検察官が事件関係者を取り調べ室で精神的に拷問にかけて、得た自白調書をもとに有罪判決にもっていきました。公判は最後まで自白調書の信用性について争われました。停止中の陪審法があれば、自白調書だけでは有罪にならなかったでしょう。ディアゴスティーニという出版社から「週刊 昭和」という雑誌(全64巻)にリクルート事件が載っていましたが、リクルート事件を犯罪行為の様に取り扱っていますが、裁判官が検察官の圧力に負けて、法解釈の拡大の禁止という刑事裁判の大原則を無視してしまった事をここで強調しておきます。

 最近ではネット言論の発達で、リクルート事件は有罪には出来ない事件だったという人が増えているのは、嬉しいです。検察官が江副浩正氏の様に優秀な経営者に嫉妬して、ささいな事件を大事件の様に取り扱って、結局、景気の悪化を招いてしまっています。これは検察上層部に言いたいのですが、あまり金持ちはけしからんと思い、それを行動に移すのはやめた方がいいです。

第4話「陪審制度は平和と安全の試金石」(11)

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (アニメコミック)もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (アニメコミック)
著者:プロダクションI.G
販売元:小学館
(2011-06-01)
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 山口県の高校野球は柳井学園が甲子園出場を決めたそうです。自分はテレビを持っていないので、球場で野球観戦をしますが、今年の高校野球は結構見れたので、よかったです。高校野球の地区予選や甲子園の中継をネットの有料サイトでやってくれるとありがたいのですが、まだ当分無理かなと思います。あと、「高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のアニメコミックを読みました。このアニメコミックはDVDを借りずに見れるし、1200円とお手ごろな値段だったのが良かったです。

 さて、虚偽の事実を伝え、真実を隠す事によって他人を騙す事を詐欺(Fraud)といいます。ちなみに詐欺師の事をCon Artistといいます。日本の1911年の無罪率が4.5%なのに対して、2010年の無罪率が0.1%なのは検察が自信がないと起訴しないからだという詐欺師がいますが、2006年に起きた詐欺事件について取上げます。

 北海道大学の島村英紀元教授は共同研究するノルウェーのベルゲン大学から海底地震計を売って欲しいと求められました。地震計は操作が困難で、開発者の島村英紀氏がいなければ、宝の持ち腐れになります。「形式的でも」という依頼をのみましたが、北海道大学は外国の小切手は受け取れないと拒否され、代金は個人口座に振り込まれ、共同研究に使われ、地震計は島村英紀元教授達が管理し続けました。何故か、北海道大学が島村元教授を業務上横領で告訴し、2006年2月1日詐欺事件で逮捕されました。

 ここまで書いても、検察が事件をでっち上げるのはいつもの事だと思うのですが、被害者が何故か「ベルゲン大学」というのは、呆れてものが言えません。ベルゲン大学教授達は騙されたとは思っていないと法廷で証言しましたが、判決は執行猶予付きの有罪判決でした。

 詐欺事件で有罪になると最低でも懲役3年になり、実質無罪である執行猶予は懲役3年以下なので、裁判官も無罪だとわかっていたでしょう。だけど、無罪判決を出しても75%の確率で逆転有罪判決が出る現実を考えると、執行猶予付きの有罪判決にした方がいいと考えてしまいます。東電OL殺人事件で1審で大渕敏和判事が無罪を出しても、2審で逆転有罪判決が出てしまう上に、法務官僚の手によって左遷させられてしまいます。停止中の陪審裁判なら、被告人控訴も出来ない代わりに検察官控訴も出来ないので、こんな事は起きないでしょうが、せめて憲法39条の二重の危険の精神に基づき、検察官控訴を廃止して欲しいものです。

第4話「陪審制度は平和と安全の試金石」(10)

蠅の帝国―軍医たちの黙示録
著者:帚木 蓬生
販売元:新潮社
(2011-07)
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 今日は喫茶店で紅茶を飲みながら、「蝿の帝国」(箒木逢生著、新潮社)を読みました。軍医から見た戦争というテーマで、医者としての理想と負傷兵を助ける事ができない現実を描いています。理想と現実の葛藤に苦しんでいるのは法律家も同じでしょう。1882年にフランス人法律顧問だったボアソナードが拷問による自白で多くの冤罪を生み出しているのを心配して、陪審制度の導入を主張したのに、法務官僚によって実現しなかった事がありました。

 日本の官僚は「優秀な官僚が国民を指導する」という考え方をしている人が多いので、どうしても陪審制度の反対者が多くなります。陪審制度があれば、捜査機関も慎重に捜査するのでしょうが、行政を担当している官僚が陪審制度の反対者ばかりの現実を見ると、うんざりしたくなります。

 前回、ネズミ講がチャールズ・ポンズィ(Charles Ponzi)氏の事件のために、英語でPonzi Schemeと呼んでいます、と書きましたが、どういう事件か書くのを忘れていたので、今回はその説明をします。ちなみにSchemeというのは計画とか陰謀という意味でPlanよりも堅い言葉です。

 第一次世界大戦後のインフレのため、イタリアでは国際返信切手券をドルで買う場合の値段が下がり、1ドル相当の国際返信切手券が、1ドルをはるかに下回る金額で購入できました。そこで、チャールズ・ポンズィ氏は、
①外国に送金して国際返信切手券を買い
②国際切手券をアメリカで切手と交換し
③その切手をアメリカで売って、利益を出す
といった戦略を立てて、自分が創立した証券会社に投資すると、45日で50%の利益を出す事を約束したけど、当時のイタリアには27000枚しか国際返信切手がなく、計画が大失敗して、郵便詐欺事件(Mail Fraud Case)に問われ、懲役5年の判決を受けました。

 これがチャールズ・ポンズィ氏の事件ですが、2つの誤算がありました。
①投資した人の多くが元本と利益を再び投資し続けるという予測
②絶えず新しい投資家が新たな資金を投入する期待
アイデアは悪くないのですが、安い切手で利益を出す事にはどうしても限界があります。個人の副業でやっていれば、チャールズ・ポンズィ氏も成功したアメリカ移民と言われたのではないでしょうか。ちなみに郵便詐欺(Mail Frand)は今では、虚偽の宣伝を掲載したダイレクト・メールで人を騙す事を言います。

第4話「陪審制度は平和と安全の試金石」(9)

名張毒ブドウ酒殺人事件――六人目の犠牲者 (岩波現代文庫)名張毒ブドウ酒殺人事件――六人目の犠牲者 (岩波現代文庫)
著者:江川 紹子
販売元:岩波書店
(2011-03-17)
販売元:Amazon.co.jp
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 今日、yahoo newsを見ていたら、東電OL殺人事件の新証拠が見つかり、再審の可能性が出てきたそうで、それについて、自分も嬉しく思いますが、東電OL殺人事件は、名張毒ブドウ事件の様に警察や検察のメンツを守るために、高等裁判所や最高裁判所が地方裁判所の無罪判決を覆した裁判だったために、裁判所が再審無罪を認める事ができるかどうか心配になっています。

 名張毒ブドウ事件は、1961年三重県で、5人が何者かによって殺害され、殺害された女性の夫である奥西勝氏が逮捕され、拷問による自白を根拠に起訴(Indictment)されました。三重の津地裁は、証拠不十分で無罪を出しましたが、高裁で、逆転死刑判決が出て、最高裁で死刑が確定しました。2009年に再審が開始されましたが、裁判所が自白を重視して、有罪が確定したままになっています。

 この事件に関しては、「名張毒ブドウ酒殺人事件」(江川紹子著、文藝春秋)に詳しく書かれています。今は岩波書店から出ているので、本屋で注文するか、ネット書店で買って、読んでみて下さい。そして、名張毒ブドウ事件の再審で、アメリカの心理学者が妻を殺害された心的外傷によって虚偽自白をしたアメリカの冤罪事件の例を出して、奥西勝氏の無実を主張しましたが、裁判所が無視した事がある事を忘れてはいけません。

 日本の裁判所は都合の悪い証拠を無視する傾向が強く、刑事裁判は無実の人を誤って罰するのを防ぐために行われる事をかなり忘れてしまっています。それでも東電OL殺人事件の再審無罪を祈っています。

 話が長くなりましたが、今回はネズミ講についての説明ですが、ネズミ講(Pyramid)とは、組織への入会者が会の本部に送金すると同時に新しい入会者(子会員)をできるだけ数多く捜して、自分(親会員)に送金させ、その一部を本部に更に送金する方法を際限なく繰り返す事によって、組織の本部やそれに近い親会員側の利益を莫大なものにしようとする事です。会員や利益をネズミ算式に増やす事から命名されています。

 ちなみにアメリカでは、1920年代にネズミ講の原理を使って大問題になったチャールズ・ポンズィ氏の名前をとって、Ponzi Schemeとも呼ばれています。日本でも1979年に無限連鎖防止法によって禁止されています。

第3話「自白は証拠の女王」(14)

英米法辞典英米法辞典
販売元:東京大学出版会
(1991-05-10)
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 最近、いろいろとコメントをいただく様になりました。国家権力から言論の自由が守られているありがたみを感じると共に、読んでくれる方のためにも良い文章が書ける様に頑張りたいと思います。そして、情報発信の機会を与えてくれるライブドア社にも感謝します。

 言論の自由を考えるとアメリカのシェンク事件が出てきます。英米法の権威である田中英夫氏が編集した「英米法辞典(田中英夫編、東京大学出版会)」にも、ホームズ判事(Oliver Wendell Homes)が明白かつ現在の基準(clear and present danger test)をうち出したものとして知られています、と説明していますが、スペースが足りなかったせいか、どんな事件か説明していないので、自分が代わりに説明します。

 第一次世界大戦中の時、当時の社会党の書記長であったシェンク(Charles T Schenck)氏は、アメリカ合衆国の政府がドイツとの戦争を行っているのに、少数の裕福な階級の利益にしかならない徴兵制度に反対する事を熱心に説明して、そのために徴兵制度の法律を廃止するための請願などの文章が書かれたビラを軍隊に召集された者に対して郵送したために、防諜法の共同謀議の違反に当たるとして起訴された事件です。

 陪審裁判で有罪の評決が出たので上訴しましたが、上告棄却を受けました。ホームズ判事は、これが通常時であれば、憲法上の権利の範囲内であったことを認めるが、あらゆる行為はその行為がなされた状況に依存している。言論の自由のもっとも厳格な保護下にあっても、混雑した劇場の中で、火事だと、偽って叫ぶ者を保護しないであろう。あらゆる場合で問題となるのは、明白かつ現在の危険を生み出す様な状況(circumstances)において使用され、その様な明白かつ現在の危険を生み出す様な性質を有するものかどうかである、といった判決文を書かれました。

 つまり、言論の自由が認めれていても、人に迷惑のかかる発言をしてはいけないし、戦争中は、国民を守るために、国家権力の力を大きくしなければいけないので、平常時なら問題がない発言でも、「明白かつ現在の危険」になる場合があり、言論の自由がかなり認めれなくなるということですね。

第3話「自白は証拠の女王」(4)

裁判の書裁判の書
著者:三宅 正太郎
販売元:慧文社
(2006-10)
販売元:Amazon.co.jp
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 今日、本棚の中にあった三宅正太郎元判事が書かれた「裁判の書」という本を読みました。この本は、1934年に発行されて、ベストセラーになって、今までいろいろな出版社から発売されています。一般人向けの法律関係の本で、当時の刑事裁判の問題点や著者の裁判官の経験をもとにした人生観などがかかれていて、非常に面白いです。

 「陪審制度を考える(丸田隆著、中央公論新社)」や「逆転 沖縄の陪審裁判(伊佐千尋著、岩波書店)」の様に20年以上も重版を重ねたり、いろいろな出版社から発売されている本は、普遍的な内容であり、多くの読者の共感を得ているので、そういう本は一度は読んだ方がいいです。

 さて、本屋で販売している「裁判の書(三宅正太郎著、慧文社)」は、2006年に発行され、7350円と割と高い本ですが、自分が持っている「裁判の書」は、1953年に創元社文庫として発売された本で、博多の古本屋で1万円で買ったので、それを考えるとお得だと思います。

 この本で、今の刑事裁判でも問題になっている自白の問題を取り扱っています。明治時代の終わり頃に、一家全員が殺害される事件があり、逮捕された男性が取り調べ室で、やってもないことをやったと言って、それを裁判官が検察に引き渡すかどうかの段階になっても虚偽自白を維持した事があったそうです。幸いにも真犯人が逮捕されて、裁判所は無実の人を起訴させなかったですが、もし捜査機関が真犯人を特定出来なければ、真犯人の代わりに死刑判決を受けたでしょう。

 だから裁判官は証拠や検察官が書いた調書を何度も調べなければならないと強調しています。たしかに確定死刑囚の人が再審無罪になった事件も裁判官が何度も調べて、法務官僚の圧力に負けなければ、ああいった冤罪は防げたでしょう。もし、この本を古本屋で見かけたら、買って見て下さい。

第3話「自白は証拠の女王」(2)

家栽の人 (9) (小学館文庫)家栽の人 (9) (小学館文庫)
著者:毛利 甚八
販売元:小学館
(2003-07)
販売元:Amazon.co.jp
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 「なぜ、女湯のぞきの事を出歯亀と言うのだろうね。」と東京に住んでいる自分の友人からメールが届きました。友人が漫画喫茶で「ライバル(柴山薫著、集英社)」という本を呼んで、主人公が女湯のぞきをして、彼女から「出歯亀」と言われるシーンがあったらしいのですが、そういう事は、yahoo知恵袋で詳しい人に聞くか、googleで検索した方が早いと思います。

 ちなみに「出歯亀」という言葉は、「出歯亀事件」の刑事被告人であり、女湯のぞきの常習犯でもあった池田亀太郎氏が出っ歯であったので、この事件の弁護をしていた沢田薫弁護士が、池田亀太郎氏を「出歯亀」と言うニックネームで呼んだので、大正時代から「出歯亀」は女湯のぞきの言葉として定着しました。

 あと、「出歯亀事件」と言うのは、1908年に当時、東京市外であった西大久保で風呂帰りの人妻が殺害されて、捜査機関は、女湯のぞきの常習犯だった池田亀太郎氏を見込み捜査で逮捕して、取り調べ室で精神的拷問や肉体的拷問を受け、自白調書が作成され、それだけを根拠に起訴した事件です。

 刑事弁護人だった沢田薫氏は、池田亀太郎氏に面会して、被告人の無実を確信するに至りました。公判で、被告人には女湯のぞきの前科があっても、殺人は捜査機関のでっちあげとして無罪を主張しましたが、無期懲役が下されました。そして、大審院(今の最高裁判所)でも判決は変わりませんでした。大正時代の終わり頃になると仮釈放で刑務所から出ることになったそうです。

 陪審法の施行が20年早ければ、池田亀太郎氏は無罪の評決が出たと思います。それでも当時は、天皇陛下の名のもとで裁判が行われていたので、1908年の無罪率は6.7%あり、今と違ってしっかりとした裁判が行われていました。池田亀太郎氏が女湯のぞきの常習犯でなければ、無罪判決が出たでしょう。日ごろの行いが悪いとやってもない事をやったと思われる事があるので、日ごろの行いには気をつけた方がいいですね。
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